寒い日が続く冬、人間にとってカゼに注意しなければならないこの季節に、猫もカゼをひくことをご存知でしょうか? メルマガ『佐藤貴紀のわんにゃんアドバイス』の著者で獣医師の佐藤先生が、猫の「カゼ」と呼ばれる「伝染性呼吸器症候群」という感染症について解説。飼い主がどのようなことに気をつければ良いのかをアドバイスしています。
感染症に要注意!!猫の伝染性呼吸器症候群「猫のカゼ」とは?
感染症と言う言葉を良く耳にします。これは人間だけではありません、猫にもあるのです。
細菌やウイルスのような病原体の感染によって起こる病気を「感染症」といいます。
今回はその中でも「猫のカゼ」とも呼ばれている「猫の伝染性呼吸器症候群」についてお話ししましょう。
1)「猫の伝染性呼吸器症候群」とは?
伝染性呼吸器症候群と言う病気は、猫の感染症で、猫の「カゼ」です。
実は、猫の「カゼ」という病名はありません。
ただし、人のカゼと同じように猫の「カゼ」もウイルスや細菌といった、いくつかの病原体の複合感染によって起こります。
その中でも、猫ヘルペスウイルスと猫カリシウイルスが、猫の「カゼ」の原因となる代表的な病原体です。
これらのウイルスが喉や気管のような呼吸器に感染して病気を引き起こしています。
2)病状は?
主な症状は、くしゃみ、鼻水、涙目、口内炎などが上げられます。
ほおっておくと、熱が出たり、食欲不振になったりします。
通常、軽症の場合は、1、2週間程度で回復します。
しかし、子猫や老猫、他の病気で体力が落ちている猫が感染すると症状が悪化し死亡することもある恐ろしい病気の1つです。
★まとめ
「カゼ」の原因となるウイルスは、感染した猫の唾液や鼻水、涙に出てきます。
健康な猫が感染猫に直接触れたり、くしゃみで飛び散った唾液や鼻水に触れたりすると感染しますので注意して下さい。
ちなみに、猫の「カゼ」が人にうつることはありません。
しかし安心せずに、猫に触ったら手を洗う、マスクをするということを忘れないで下さい。
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