統合してもうまくいく「エビデンス」
両社の機内でそれぞれCAの“プチ合併”がすでに実現していますが、実は随分前にこの動きは「1つのエアライン」で形となっていました。
2010年まで国際線として就航していたJAL系列のエアラインJALWAYSでは(2010年JALに吸収)、新卒入社の社員とともに、数多くの客室乗務員経験者がパートタイムとして乗務できるシステムを構築していたことをご存じの方も多いはずです。
あらゆる航空会社の経験者が乗務していたのですが、そこで大活躍していたのが元ANAの皆さんです。
当時JALWAYSで責任者として乗務していた、JALの元客室乗務員によると、
「機内の客室乗務員の8割が元ANAの人となった便もありましたが、極めて仕事ができ、ANAの経験者が一緒だと安心して任せることができた」
と語っています。
カラーが異なるとはいえ、両者ともに経験者を重んじる企業背景や、やや保守的な職場環境は非常に似ているからかもしれません。 おそらく両社が入れ替わっても同じ状況が垣間見られたはずです。
どんな背景にあってもそれなりに対応していけるスキルは、日々異なる初対面のお客様やメンバーと、業務を積み重ねてきたゆえに獲得できた、客室乗務員ならではの武器となっています。
現在は最大のライバルだとしても必要となれば力を合わせ、世界でも類を見ない高いレベルのサービスを提供できる航空会社を作る、彼女たちはその礎となりえるはずです。
2社それぞれの存続、統合、いずれの道となったとしても、今後の日本のイメージを生みだす重要なポジションを担っているという意識を、客室乗務員たちはこれからも持ち続けていくでしょう。
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