今でこそ少なくなりつつあるようですが、かつてはあらゆる職場で見られたお茶の時間。慣習としてお茶を入れるのは女性の役割となっていますが、違和感を覚える方もいるのではないでしょうか。メルマガ『井ノ上陽一の雇われない雇わない生き方への道』の著者で元公務員という経歴を持つ「ひとり税理士」井ノ上陽一さんもそんな中の一人。井ノ上さんは今回、かつての職場でお茶入れ廃止を提案したエピソードを綴りつつ、現在の日本社会について思うところを述べています。
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お茶入れをなくした話
公務員で3年いた部署は、係長(男性)→主任(女性)→職員(女性)→私という構成でした。年齢を書くと、係長(30代男性)→主任(40代女性)→職員(30代女性)→私という感じです。
入れ替わりはあっても、3年間こんな感じでした。別の列と比べると、平和で、1列ずれたらやばかったです。延々と無駄話をしてくる人とか、怒鳴る人とか。残業しないと怒る人とか。
そんなことはなく、平和な中、ある提案をしました。「お茶、やめません?」と。
慣習で、朝と15時頃にお茶を入れてくださるのです。しかしながら、お茶を入れるのは女性。そういうのも嫌でした。かといって、私がやるのも嫌がられるでしょうけど。お茶を入れるのにも時間がかかりますし、それは、男性、女性、関係ありません。そして、お茶をいただいても、ぶっちゃけ、そんなにうれしくないですし。飲んだあとを洗っていただくのも恐縮します。
こんなの、なくしてしまえばいいのでは?と提案すると、女性はもちろん喜び、係長も、「そうだね」と(合わせてくれたのかもしれませんが)。
お茶を入れるほう、入れていただくほう、みんなのストレスがなくなりました。飲みたかったら自分で入れればいいですし。
その後、税理士事務所でも、そういう慣習があったので、どこでもやめてもらいましたし、少なくとも自分の分はいいですよといって、やめてもらいました。
男性が、女性が、というのが好きではありません。もちろん、違いはありますが、なくせるものはなくしたほうがいいかなと。
こういう考え方は、男性というよりも女性よりの考え方かもしれません。
世の中、残念ながら、男性(かつ年配)が主導権を握っています。組織に合わないというは、女性の要素があるからではないかと思っているところです。
右肩上がりの売上をめざさないとかも、人を雇わない、家族を大事にしたいなどもそうでしょう。
このメルマガをお読みの方も、女性の方はもちろん、男性の方は、女性の要素が強いかもしれません。
となると、男性の要素が強い、この社会では合わなくて当然ではないかなと。
そんなことを考えています。
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