「また慰安婦かい!」日本政府への賠償判決に韓国国民すら食傷気味

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韓国で元慰安婦らが日本政府に損害賠償を求めた訴訟で、国際法上の「主権免除」の原則を適用することなく、日本に対して慰謝料の支払いを命じたソウル中央地裁。この判決に日本サイドは強く抗議・反発していますが、韓国内ではどのように受け止められているのでしょうか。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、一般の韓国の人々やマスコミの動きをリポート。そこで見られたのは、これまでとは大きく異なる彼らの反応でした。

辛丑年、始まりました

2021年が始まった。年頭からいろいろの動きが生じている。1月8日にソウル中央地裁は、自称元慰安婦の12人が日本政府に損害賠償を求めた訴訟で1人あたり948万円の支払いを命じる判決を出した。韓国の裁判所が日本に対して賠償せよと判決を出したわけである。これには筆者も驚いてしまった。文政権の人気取り作戦だと思うが、この時期にこういう判決を出して反日を煽り人気取りに乗り出すとは、あきれてものも言えないくらいだ。

今後の展開がどうなるのかわからないけれども、今のところは、マスコミが後からあとから追い打ちをかけるように次から次へとこの判決を扇動するような報道が見えないこと、および一般の韓国の人の反応も、「また慰安婦かい」といった食傷気味の反応を示す人が多いのも事実だ。不買運動だの、日本たたきだのといった韓国全体の雰囲気になっていないのは2019年のときと2021年現在とでは、いろいろの変化があるのかなと肌では感じている。

思いつくまま書いてみると、たぶんまずは正義連(なにが正義かといいたいが)のユン・ミヒャンの悪事が次から次へとばれてしまい、神聖不可侵ともいうべき「慰安婦問題」に対しての感じ方の面で現在はその度合いがかなり落ちてきている、つまり神聖不可侵のレベルが薄れてきているということがあることはまちがいないと思う。ただ、ユン・ミヒャンに対する取り調べは今だ行われておらず、この人は国会議員という身分を保ったままだ。勿論、これからユン・ソンヨル検察総長率いる検察が、取り調べに入るはずだ。いつから始まるかはわからないけれども。

そして二つ目としては、韓国の中に『反日種族主義』の本に代表されるような真実を知りたいという空気が、まだ一部ではあってもそんな気流が徐々に造成されてきていることもあるんじゃないかと思う。『反日種族主義』の著者たちは、日本びいきとか韓国びいきといった狭い枠組みではなく真実を明らかにしたいという学究的な研究を生業としている人たちだ。韓国人が自ら進んで自分の国(韓国)のことを、悪く言いたいと思っている人間はだれもいない。あまりにも韓国の中に根付いている認識が、真実ばなれしているから、「ほどほどにしようよ」「真実をそのまま見ようよ」といって警鐘を鳴らしているだけにすぎない。

ちなみにこの『反日種族主義』は、韓国最大の書店「教保文庫」でベストセラー1位を記録するなど韓国でも数十万部のベストセラーになっている。教保文庫の集計では、男性読者の購買が圧倒的に高い中、50代、60代の男性を合わせると41.8%で圧倒的のようだ。元法務相のチョ・グク氏が「吐き気がする本」と発言したことでかえって販売部数は増えたともいわれている。

多くの人に読まれていることは非常にうれしいことである。ただ幼稚園から小学校、中学校、高校と、社会や歴史の時間に習う内容が子どもたちの頭の中に自動的に「刷り込み」されてしまっているから、なかなか真実の姿を見ようとして、できる人間は多くはない。けれども、数年前に比べれば、現在はマスコミが反日記事を出しても、条件反射的に「くそっ、日本め!」という反応は確実に少なくなっている。喜ばしい限りだ。

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