都医師会の過去発言で判明、東京五輪の通常開催は10月に詰んでいた

 

検索を「医師会 五輪 無観客」で行ったところ、《朝日》のサイト内には、22日の記事と同じ内容のもの2件を含め、4件の記事がヒットした。

2020年5月22日付
2020年から2021年への五輪延期の舞台裏に関する大きな記事の中で、都の医師会会長については次の記述。

「東京都医師会の尾崎治夫会長のフェイスブックにもこの頃、欧米の知人から「日本は何をやってるんだ」といったメッセージが連日届いたという。「何でこんなにぬるいんだ。ロックダウン(都市の封鎖)に近いことをやらないと大変なことになると警告された」と振り返る」と。

*そして10月。尾崎会長が会見を開く。

2020年10月14日付
尾崎会長は「「(新型コロナウイルスの)感染者が増えている国がある。全世界から観客を呼んで(開催)できるかといったら、限りなく難しいのではないか」との見解を示した。その上で「無観客という形でやっていくのが、現実的には妥当な線では」と述べた」。さらに、コロナ対応に加えて観客らへの医療提供体制を支えることになり、「夏の暑い時期の熱中症対策も含めて、五輪に協力するという形になれるのかどうか、正直なところ難しいと思う」と具体的に述べている。

●uttiiの眼

10月の記事と22日の記事との違いは大きくない。少なくとも10月頃から会長は「もう通常開催は無理だ」と悲鳴を上げていたと言える。「無観客」を「検討してほしい」という控えめの言い様は、協力する立場からはあまり強いことは言えないが、というような逡巡があり、本当はもう少し厳しい要求があると見た方が良いのかもしれない。

因みに2020年10月14日に新規に確認された感染者は549人。東京都は144人だった。今年1月21日)は全国で5647人、都内で1471人。わずか3カ月少しで、全国的にも、都内でも、感染者は10倍以上に増加したことになる。

あとがき

以上、いかがでしたでしょうか。

大勢の選手、大勢の観客、開会式の大イベント…どれをとってもオリンピックには欠かすことができない要素になってきたわけですが、そのどれもが実現不可能な情勢だと思います。なんとか知恵を発揮して撤退を決め、コロナ対策に「全身全霊」、いや、全霊を捧げるようにしてもらえないでしょうか。

image by:BT Image / Shutterstock.com

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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【著者】 内田誠 【月額】 月額330円(税込) 【発行周期】 週1回程度

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