国民の権利を僅かでも抑制しようとするなら、そのメッセージは厳に正直なものでなければならない。真に分かり易いものでなければならない。そこに少しでも逃げ道抜け道を設ければ途端にこの分かりづらさである。
最後に「若者(特に学生)」に対してもメッセージを発するべきだ、ということを強調しておきたい。コロナ禍において学費に見合う講義も受けられず、アルバイトも無くなり、さらには行動の自由さえも制限つきである。加えて学生という身分はしばしば補償金制度などの枠組みから漏れやすい立場でもある。にもかかわらずじっと我慢をしてくれている。本当の大人として彼らの忍耐に敬意を表すべきである。
やがて自分もそうなる老人の命が大切なのと同様に、かつて自分がそうであった若者の将来も大切なのである。行く道も来た道も我がことと思えば共に大切な筈である。
だからメッセージを伝えよう。政府のメッセージを吟味していたら上述のようにきりがない。人から人へ気持ちを伝えることは相互理解の第一歩だ。そして相互理解は寛容さへとつながって行く。10代未満から100歳超まで等しく苦難の内にあるのだから、この寛容の精神はいついかなる時であっても持ち続けていたいものである。
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