血液型の本質とは、免疫の型である。知らなかった。初めて聞いた。
「免疫の型とは、自己と他者を区別するために存在する、印のようなもの。もし他者(病原体など)が侵入してきたとわかったときには、容赦なく免疫的に攻撃する。そんなわけで、病原体でなくても、他人の血液を輸血してもらう際にも、型が合う、合わないという問題が生じるのです」
血液型が侵入者と戦うための戦術の違いである以上、型によってより戦いやすい相手と、そうでない相手があるはずだ。実際、血液型によってより気をつけるべき病気の種類が違う。A型がO型に比べ罹患率が高いのは何といってもガン。それに良性唾腺腫、リウマチ性疾患、悪性貧血、糖尿病、心筋梗塞、狭心症などいろいろ。とくに好酸球増加症はO型の2.38倍と深刻。わたしはA型Rh+。
コレラ菌に対してはO型が弱く、AB型がとても強い、B型もかなり強いということは統計学的にわかっている。コレラの家族への感染については、どの血液型であっても一定の確率で、血液型によって感染のしやすさが違うのではなく、感染してからの重症化の程度が違うということだ。
血液型がO型の人は病気全般に強く、弱い病気にしても胃潰瘍など薬で治せる病気が多く、気をつけるとしたらコレラくらいと圧倒的である。現代ではその最強O型の人が多いが、O型とは真逆の、あらゆるガンに弱く、貧血も多く、元気のない印象のA型が、日本をはじめ多くの国で最大勢力になっている。なぜなんだ?著者は二つの大きな理由を挙げる。
一つはA型は病弱であるために、慎重に行動するという性格が備わり、そのために生存のうえで有利であるということ。そして、もうひとつの理由は、ガンになりやすいということ。え?ガンになりやすいと、どうしていいんだ?ガンとは本来、中年以降に発症する病気である。子供が独立し、孫もいるという状況下で発生することが多い。人類は過去の多くの時間を食うや食わずの極限状態に晒されてきた。そのような状況で、無駄飯を食うだけの人間は存在すべきではない。それが動物としての現実である。ひどい表現だが真実である。
「自分の遺伝子のコピーは既に受け継がれているのであり、もはや存在して彼らの食い扶持を奪うよりも、いなくなった方が自分の遺伝子のコピーを残すという点で有利なのです。そんなわけで、子が独立したなら早々にこの世を去るということこそが、他ならぬ自分自身にとって最善の道。このような過去があるために、一見健康には不利な血液型であるA型が最も大きな勢力になっているのではないでしょうか」。