国防を軽視。菅政権の「ワクチン接種順位」で国民の命を守れぬ訳

 

理由は明らかです。ワクチンの接種によって他国より早く軍事的能力を回復した国が、外交的にも有利な立場を確立し、それによって政治的、経済的優位を実現することができるからです。米国のみならず、中国、ロシアなどがワクチン開発競争でしのぎを削ったのは、そうした点が「語られざる目的」としてあったからです。

目下、自国の軍事的能力を回復し、ワクチン外交を展開している中国が、米国を一歩リードした形になっていますが、もともと国力で優位にある米国が軍事的能力をコロナ前の水準に回復したとき、中国に対する反転攻勢が始まるのはいうまでもありません。そんな列国の横で日本だけが蚊帳の外なのが残念でなりません。

尖閣諸島を守る海上保安庁、日本列島の空の守りを担う航空自衛隊、国民の目に触れないところで地道に日本の海を守っている海上自衛隊については、最優先すべき部隊や職種を絞って、医療従事者と同じタイミングでワクチン接種を実行に移してもらいたい。

与党であると野党であるとを問わず、国会を挙げて政府を動かす。それこそ政治家が最優先すべき仕事です。西村康稔さん、河野太郎さん、頼みましたよ。(小川和久)

image by:Mike Mareen / Shutterstock.com

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地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。一流ビジネスマンとして世界を相手に勝とうとすれば、メルマガが扱っている分野は外せない。

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