しかも、この天皇訪中の目的は、日本としての最強の切り札を使ってこれまでの戦争の精算などの日中関係に方をつけ、時代を区分するためと当時説明されていました。
しかし、まったくその効果なく、結局、経済発展してきた中国は、日本に対して「歴史問題」というカードを性懲りもなく、現在も持ち出しています。
故・渡部昇一氏は、「それまで中国は、日本に対して畏敬の念のようなものがあったけれども、天皇訪中のあとは、朝貢国かのような威張った態度になってきた」と言っていましたが、その大きな起点となったことは間違いありません。
以後、日本を馬鹿にするような発言が江沢民はじめ、在中日本大使などの高官からも聞こえるようになってきます。
後に、歴史問題を持ち出されても宮沢喜一や加藤紘一らは、「あの国際制裁されて困っていた時、手打ちしていたではないか」などと反論するはもちろんありませんでした。
日本の政治家が日本の国益のためでなく、中国に対しては常に譲歩する流れができてしまいました。中国に何か「悪さ」をされても“遺憾砲”で逆襲するしか能がないのであれば、誰にだって政治・外交が出来てしまいます。
そして、この宗主国・中国様の行動様式をじっと観察している“中華帝国の歴史的属国”である韓国からさえも、さらにありもしない捏造の歴史問題で日本は言い掛かり・いちゃもんを付けられることになるわけです。
和田憲治 ON THE BOARD https://twitter.com/media_otb
和田憲治
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