遅きに失して真実に迫れず。中国の思惑通りなWHO「武漢調査」

 

2021年1月31日付
中国側主導で決められた日程に従って調査が始まったが、「調査を巡っては、中国政府が受け入れを遅らせたとしてWHOのトップが非難。中国は、感染を世界に広めたとの責任追及の動きに神経をとがらせている」としている。

2021年2月4日付
調査団が武漢ウイルス研究所を訪問。「調査団は研究所に3時間半滞在。調査団員のピーター・ダジャック氏は同日夕、ツイッターに、コウモリに由来するウイルス研究で知られる石正麗(せきせいれい)氏らと面談し「率直で開かれた議論を行い、重要な問題について質疑した」と投稿。同じくデンマーク出身のテア・フィッシャー氏は、研究所を立ち去る車内から、成果を聞いた報道陣に「非常に興味深い。多くの疑問がある」と声を上げた」という。そして、調査終了後の記者会見、と続く。

●uttiiの眼

2月4日付の記事には、少々思わせぶりな記述も混じっているが、会見で報告された事柄のなかには「多くの疑問」は反映されていなかったようだ。それが「中国側同席」の効果であったのかどうかも分からないが、帰国後に個々の調査団メンバーから具体的な「疑問」が開陳される可能性があるのかもしれない。

【あとがき】
以上、いかがでしたでしょうか。少なくとも公式には「ウイルス人工操作・作成」説を口にしていなかったトランプ氏。それでも、新型コロナウイルスを「チャイナ・ウイルス」と呼ぶことによって、コアな支持層の一部は「陰謀論」が脳裏に浮かぶ仕掛けになっていたのではないでしょうか。

ところが、新型コロナウイルス肺炎が猖獗を極めたのは、中国ではなく米国だった。その意味では、「チャイナ・ウイルス」どころか、紛う事なき「アメリカン・ウイルス」だったということになりそうです。もちろん“起源”については別途、追究が必要ですが。

image by:askarim / Shutterstock.com

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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【著者】 内田誠 【月額】 月額330円(税込) 【発行周期】 週1回程度

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