毎晩500ml缶チューハイ3本飲み泥酔。「酒乱妻」に夫は堪忍袋の緒がキレた
最後の3つ目は、「延々と人生相談をする」タイプです。離婚の調停で必要なのは離婚に結びつくエピソードですが、嫌悪感、不信感を爆発させ、相手の悪口や愚痴、不満などを言いっ放しにすると調停委員は怪訝な顔をします。
下村博也さん(仮名、29歳)は、誰がどう見ても「やり直す余地がない」と思わせるエピソードに絞りました。博也さんいわく、妻は毎晩のように晩酌をするのですが、お酒に強いわけではないので、毎日500mlの缶チューハイを3本も飲むと必ず泥酔し、嘔吐することもしばしば。
さらに、妻が酔っぱらって真夏に暖房、真冬に冷房のボタンを押し、寝室が熱すぎたり寒すぎたりして博也さんが目を覚ますことも。直立歩行できないほど飲み過ぎてトイレで爆睡したり、ベッドまで連れて行こうとする博也さんに向かって「うるさいわ!」と絡んで喧嘩になったり……。そのたびに、妻は「もうお酒はやめる」と禁酒宣言するのですが、その約束が守られた試しはありません。その回数は両手の指では足りないくらいです。
つまり、これ以上、結婚生活を続けると、博也さんが妻の「酒乱」に悩まされることは確実です。調停委員は妻の酒癖を「修復する余地はない」と判断したようで、妻に対して「もう旦那さんを解放してあげたらどうですか?」と投げかけた模様。妻は今まで何十回も禁酒宣言を破ってきた手前、「もう迷惑をかけないから」と口が裂けても言えず、しぶしぶ離婚に承諾したようです。
嫁への罵詈雑言を喜々として聞くのは姑ぐらいですが、もちろん調停委員は夫の母親ではありません。自分は何の調停を申し立てたのかをよく思い出すことが重要です。
統計(厚生労働省の人口動態統計、2016年)によると、離婚全体(21万件)のうち、家庭裁判所の調停を通じて離婚したケースは10%(2万件)です。そして調停を申し立てても実際に成立するのは全体の半分(54%。裁判の迅速化に係る検証に関する報告書)で、残りの46%は結論が出ずに終わっているのが現状です。
本当に離婚したいのであれば、「調停を申し立てたら、あとは調停委員がやってくれるだろう」と人任せにするのではなく、調停委員の力を借りつつ、自分がどのように行動すべきかを前もって考えておいた方が良いでしょう。
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