ラブホ不倫の妻が逆ギレ別居。それでも夫が「慰謝料返上スピード離婚」を選んだワケ

 

ムダ使い妻の膨大な「証拠」を精査させるのは、調停委員の負担大に

続いて2つ目は、調停委員の「多忙」に対する配慮が足りないタイプです。

調停委員は複数の案件を同時に抱えており、限られた時間のなかで対応しているので目や耳には限界があります。そのため、調停委員の負担をできるだけ減らす工夫が必要です。自分の案件は早く終わりそうだという印象を与えることが大事です。

新井弘道さん(仮名、46歳。年収900万円。結婚期間に増加した財産は夫名義で1,100万円)夫婦は共働き。妻(39歳)にも600万円の年収があり、結婚から10年間、毎月の生活費を夫6:妻4で清算してきましたが、それ以外はお互い干渉せず、独立採算制を続けてきました。

弘道さん夫婦の離婚原因は、金銭感覚の違い。弘道さんは衝動買いせず、ネットで値段を確認する倹約家。一方、妻がハマっていたのはネットのオークション。今はスマホ1つあれば出品が可能です。出品は多い日で100件以上。妻はテレビの通販番組で型式の古いブランドのバックや宝石、靴やコートなどを安く仕入れていたのです。

弘道さんの家のクローゼットにはエスメスのバックや、グッチの財布が隠してあったのですが、これは妻の私物ではなく、オークション用の在庫。妻はここを倉庫代わりに使っていたのです。

初めのうちは、ある程度は利益も出ていたようですが、妻はそれに味をしめて、どんどん高額な商品に手を出していったようです。しかし、途中から売れ残って在庫を抱えるようになってしまいました。それでも妻は負けん気が強いので、強気に高額商品を仕入れ続けたので、どんどんマイナスが膨らみ、ついには自分の貯金をすべて使い切ってしまったのです。

妻は自分の貯金がないのをいいことに「貴方の貯金は共有財産なんだから半分(550万円)、渡してよ!」と主張したので折り合いがつかず、弘道さんは調停を申し立てたのです。把握している妻の浪費は氷山の一角に過ぎません。弘道さんは当初、妻に対して通帳や証書、インターネットバンキングを提出するよう調停委員に頼むつもりでした。しかし、結婚10年間の履歴や増減、そして使途を精査するのは気が遠くなる作業で調停委員の負担は甚大です。そこで弘道さんは調停委員に助言を求めたそうです。

調停委員は妻に対して「細々と詮索されたくなければ、財産の請求を取り下げたらどうですか?」と投げかけ、3回目の調停で「財産分与せず」という条件で離婚が成立したようです。秘密を知られたくないのはお互い様ですが、プライドの高い妻の「恥をさらしたくない」という心理を突いた結果です。

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