長崎海星高いじめ自殺事件で伏せられた第三者委「報告書」の仰天中身

 

編集後記 署名活動発起人の思い

冒頭の署名活動のテーマは「長崎海星高校は3月中に記者会見を開き、いじめ自殺問題に対する説明責任を果たしてください『海星でよかった!』。高校3年生が胸を張って卒業できる姿勢を示してください」ということになっている。

署名の発起人は、私に「他人事ではなく自分事で考えてほしい」と話してくれました。彼は塾の先生で、長崎では3本の指に入る海星中学や高校を目指す子たちを見ています。目指す子、在校生、卒業生、保護者との交流もある存在です。

報道の内容の真偽がどのようであれ、その学校にいることによる在校生に対する不当な差別が巷で発生していることは事実です。しかし、在校生には反論できる後ろ盾、言い返せる言葉がないわけです。

一方、同校の教職員の中には、生徒達の前で「悪いのは校長だ」と批判するなど、まるで自分たちも被害者のような勘違いをしている様子も見聞きしています。学校に対して善処を求める声を、学校の中から上げることは難しい状況にあり、誰かが声を上げなければならないという想いから、署名活動を始めたそうです。

私はこの署名の話が別の方からきたとき、正直なところ、リスクしか感じませんでした。なぜなら、署名には強制力はなく、第三者委員会の報告や提言すら受け入れない学校が、強制力のない署名がいくら集まろうが、首を縦に振ることはないだろうと思ったからです。

この署名活動は小さな記事で報道されていましたが、その中には、在校生のグループもあると書いてありました。仮にこれが事実であれば、自らの立場が不利になるかもしれないリスクを冒しつつも、「いじめに向き合ってください」「生徒の命や人権に真摯に向き合い、改善してください」という信念を持たなければできないことであると思ったのです。

確かに署名をしたところで結果は変わらないかもしれませんが、この署名には別の意味で大きな意味があります。

それは、大人社会が子どもらに見せる覚悟の受け入れです。覚悟をもって行動する、それを私たちがどう受け入れるか、それはいじめ対応のみならず、あらゆる社会問題における基本である、「他人事から自分事」にあると私は思います。

下記に署名のリンクを貼りつけますので、お時間があるときにぜひ読んで頂きたいと思います(署名ページにはご遺族の手記もあります)。

長崎海星高校は3月中に記者会見を開き、いじめ自殺問題に対する説明責任を果たしてください 「海星でよかった!」。高校3年生が胸を張って卒業できる姿勢を示してください。

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image by: Shutterstock.com

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社会問題を探偵調査を活用して実態解明し、解決する活動を毎月報告。社会問題についての基本的知識やあまり公開されていないデータも公開する。2015まぐまぐ大賞受賞「ギリギリ探偵白書」を発行するT.I.U.総合探偵社代表の阿部泰尚が、いじめ、虐待、非行、違法ビジネス、詐欺、パワハラなどの隠蔽を暴き、実態をレポートする。また、実際に行った解決法やここだけの話をコッソリ公開。
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