人命より利権か。イベルメクチンが厚労省に承認されると困る人々

 

その一方で、感染症の専門家としてよくテレビなどにも出演している国立国際医療センターの忽那賢志医師は、イベルメクチンの報道を抑えるようにして「イベルメクチンはエビデンスが不足しているから承認されていないだけ」という、厚生労働省の従来の見解通りのことをSNSで発信しています。

しかし、この忽那医師の発言は、花木教授が述べた「厚生労働省は試験で効果が確認できなかったとしているが、厚生労働省が行った試験は現実とかけはなれた条件で行っている」「なぜ普通の条件で試験をしないのか?」「厚生労働省は平時での対応をしている」という発言の回答にはまったくなっていません。

忽那賢志医師の所属する国立国際医療センターというのは、厚生労働省のおひざ元であり、忽那医師は、完全に厚生労働省側の医師といえます。実際に、忽那医師のこれまでの発言を見ても厚生労働省を擁護するようなものばかりでした。「厚生労働省のやることはすべて正しい」「厚生労働省の意にそわない情報はすべてフェイクニュース」というスタンスを取り続けています。

しかし、多くの国民がもう気づいているように、厚生労働省は日本人の健康や命を守る組織として、到底、褒められたものではありません。それは新型コロナ禍で、十二分に露呈されてきました。

人口あたりのPCR検査は途上国よりも遅れをとっています。にもかかわらず、厚生労働省は御用役人や御用研究者を使って、「PCR検査は不確実だから増やしても意味はない」というようなことを喧伝し続けてきました。

しかも、前回号でご説明したように、厚生労働省は世界中で使われている日本メーカーの最新鋭のPCR検査機器をなかなか承認せず、これを日本の病院が使えるようになったのは、コロナ第二波の始まった去年の8月以降のことだったのです。

感染症対策というのは、まず感染者を把握することのはずです。不確実であろうと、PCR検査が今のところ感染者を見つける最善の方法なのだから、PCR検査を増やすことがまず第一なはずです。もしPCR検査が本当に役に立たないというのであれば、去年の4月以降、なぜ急拡大させたのでしょうか?去年の3月までの、症状が相当悪化してもなかなかPCR検査を受けさせないという方針を貫けばよかったはずです。あの方針を貫ぬかずPCR検査を増加させたのは、やはりPCR検査をしなければ始まらないというのがあったからでしょう。

日本はたまたまファクターXというよくわからない要因により、欧米よりも感染
者や死者が桁違いに少なくて済んでいます。しかし、もしファクターXがなく、欧米と同じように感染者や死者が出ていれば、厚生労働省は形がなくなるくらいボコボコに叩かれているはずです。

ちなみに、忽那医師もマスコミなどで「PCR検査はあまり増やしても意味がない」と発言していた方です。

また欧米の何十分の一、何百分の一という感染レベルでありながら、日本は医療崩壊の危機に瀕してしまいました。昨年の12月から1月にかけては、症状が出ているのに入院できない、ホテル療養さえできず、自宅待機を余儀なくされ、なんの治療も施されずに亡くなってしまうという方が非常に多くおられました。

それだけ日本の医療システムが脆弱で、欠陥だらけだったということです。そして、今の日本の医療システムを構築し、コントロールしているのは厚生労働省です。つまり、厚生労働省は欠陥だらけの医療システムをつくってきた、最大の戦犯のはずです。

にもかかわらず、厚生労働省はそのことについてなんら反省せず、自分たちのやっていることはすべて正しいという姿勢を取り続けているのです。

先日、東京医師会の尾崎会長が「自宅療養している患者にイベルメクチンなどを処方できるようにしてほしい」と発言しました。しかし、厚生労働省はこの問いかけを黙殺しているのです。

筆者は忽那医師に聞いてみたいものです。あなたは今の厚生労働省に非はまったくないと思いますか?厚生労働省のつくった医療システムは最善のものですか?と。

print

  • 人命より利権か。イベルメクチンが厚労省に承認されると困る人々
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け