政府のカネで作った自民プロパガンダ映画『Fukushima 50』が歪曲する真実

 

首をひねりたくなる門田氏「緊急寄稿記事」の中身

さて門田氏は3月11日、映画『Fukushima50』原作者が語る、という緊急寄稿をダイヤモンドオンラインにしている。

映画『Fukushima50』原作者が語る、「震災10年」で心に刻みたいこと(門田隆将)

そのなかで、東電と国に賠償を命じた前橋地裁判決(2017年3月17日)のお粗末さを指摘しているのだが、首をひねりたくなるのは以下のような判決の解釈である。

前橋地裁の判決は、2002年7月に文部科学省の地震調査研究推進本部が打ち出した「三陸沖から房総沖の海溝沿いのどこでもM8クラスの地震が発生する可能性がある」という見解を根拠とし、そこに20メートルの巨大防波堤を建設しておけば、東電も、国も、「責任を果たした」と言いたいのだ。そう門田氏は書いている。

ほんとうだろうか。前橋地裁判決の本意は、地震調査研究推進本部の知見をもとに想定津波の計算をすることが可能であり、非常用電源設備の位置をこえる津波にそなえて、配電盤や非常用ディーゼル発電機を建屋の上階に移設するなどの対策を講じておれば、全電源喪失の事態は避けられた、というものだったはずである。なにも、20メートルの巨大防波堤をはりめぐらせるなどという大がかりなことではない。

門田氏は「あの未曽有の大津波について子どもじみた、事実に基づかない話がまかり通っていた」と書き、そのお粗末な実例として前橋地裁判決をあげた。しかし筆者には、門田氏のこの記事こそ事実をゆがめているように思えてならない。

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