順風満帆な生活を送っていた体育教師が、事故による頚椎骨折で全身麻痺に――。絶望に打ちひしがれ、自殺未遂にまで追い込まれたその男性ですが、ある出来事を切っ掛けに心境が一変、奇跡的な回復を果たします。何が彼の心をプラス方向に導いたのでしょうか。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』ではご本人が、自分を変えてくれたとある看護師さんとのエピソードを語っています。
一言が人生をどうにでも変えてしまう~30万人が泣いた奇跡の感動実話
「たぶん一生寝たきりか、車椅子の生活になるでしょう」首の骨を折る大けがにより、充実した教員生活から一転、人生の奈落に叩き落された腰塚勇人さん。
一時は自殺まで考えたという苦悩の底から氏はいかにして立ち直り、見事社会復帰を果たしたのでしょうか。
実は怪我をするまで、僕は競争が大好きな人間でした。「常勝」が信条で、人に負けない生き方をずっと貫いていたんです。だから「助けて」なんて言葉は口が裂けても言えない性分でした。
それが怪我ですべて人の手を借りなければならなくなりました。僕が一番したくない生き方でした。苦しいし、泣きわめきたいし、「助けてっ!」って言葉が口元まで出かかってくるけど、プライドが邪魔してそれを言わせない。
ここで弱音を吐いたら、家族に余計に心配をかけてしまうと思うと、なおさら言えませんでした。皆に迷惑をかけた分、なんとかしたいって気持ちでいたんですが、そのプレッシャーや苦しさに押し潰されそうになってしまって……。
僕はとうとう舌を噛んだんです。だけど結局、死に切れなかった。
あとには生きるという選択肢しかなくなりました。じゃあ明日から前向きに生きられるかといったら、それは無理です。自分を押し包む苦しさがなくなったわけではありませんからね。
そんなある晩、苦しくて寝つけないでいると、看護師さんが声をかけてくれました。「腰塚さん、寝ないと体がもちませんよ。睡眠剤が必要だったら言ってね」って。その言葉に僕の心が反応しちゃったんです。おまえに俺の気持ちが分かってたまるかって、無意識に彼女をグッと睨みつけていました。