LINE「個人情報」問題で中国企業への業務委託NGは加速するのか?

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日本人の多くが日常的に使用しているモバイルメッセンジャーアプリケーション「LINE(ライン)」の個人情報が、中国にあるシステム開発委託企業で閲覧可能だったという報道は、多くの日本人に衝撃を与えました。しかし、この騒動以前から、別の海外資本のSNSも日本以外の国で情報が管理されていたと指摘するのは、メルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』の著者でケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さん。石川さんは今回のLINE問題をきっかけに、中国など外国に入力作業やデータ管理を委託している日本企業の行く末を案じています。

LINEの個人情報が中国のシステム開発委託企業で閲覧状態に——-中国に拠点を持つ日本企業関連会社は撤退を余儀なくされるのか

LINEの個人情報が中国にあるシステム開発委託企業で閲覧可能だったことが問題となっている。総務省内ではLINEの利用を停止する方針を発表。LINEを住民サービスに使っている自治体に対して利用状況を報告するように求めている。また、ソフトバンクとLINEは3月22日に開催予定のビジネス向けイベントの延期を発表。確かにこのタイミングで「LINEをビジネスに活用しよう」とは口が裂けても言えないだろう。

ただ、IT業界において、中国にシステム開発を委託、あるいは移管するという動きは、むしろ数年前までは活発だったのではないか。コストや技術面を考えれば中国でシステム開発を行うというのは当然の流れだったように思う。

しかし、中国政府が国内企業が扱うデータにアクセスしてもいいという法律になったことで、風向きが一気に変わってしまった。LINEも、この法律が出来たことで、システム開発体制を見直す必要があった。ここが落ち度であったと言われれば仕方ない。

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LINEは今回の騒動が起きた直後に個人データの取り扱いについて説明を行っている。このなかで、画像や動画のデータは韓国で保管されていると明らかにした。一部には「日本ではなく、海外にデータがあるなんて怖い」という指摘をする人もいるが、グーグルやフェイスブック、インスタグラムなどのデータはどう考えても、アメリカもしくは別の国で処理されていることだろう。

そもそも、インターネットは国境がないことが素晴らしいのではないか。ここ最近は個人情報の取り扱いにうるさい国も出てきているが、どこにデータが保管されていようと、どこからでもアクセスでき、活用できるのがインターネットのメリットではないか。安価なコストで保管でき、運ぶのにもコストのかからない場所であれば、中国以外の世界のどこにおいても、さほど目くじらを立てる必要はないのではないか。

一方で、アップルは「ユーザーのデータは極力、クラウドにはあげずに、iPhoneの中にとどめておく」というスタンスを貫いている。個人情報の取り扱いについて、厳格さを求める人にiPhoneはさらに売れるのではないか。

今回の騒動で頭をよぎったのは「ソフトバンクは大丈夫なのか」ということだ。ソフトバンクはかつて「携帯電話の新規契約ユーザーの申し込み情報は、中国でシステムへの入力が行われている」という話を聞いたことがあった。さきほど、調べてみたところ「BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)」として、中国大連市にアウトソーシングサービスを展開する現地法人が存在する。コンタクトセンターサービス(電話やメールでの顧客対応や社内ヘルプデスク)とオペレーションセンターサービスを提供し、コスト削減や生産性向上につながるという。

データに関しては日本国内にあるソフトバンクのデータセンターに設置されているシンクライアントサーバーに保存され、中国側へは業務データを一切送信していないという。 

ただ、LINEの騒動も「中国から国内サーバーにある個人情報にアクセスできた」だけで大問題に発展した。

このあたりの違いがよくわからないのだが、今後、中国に業務を委託すること自体が、NGになっていくのだろうか。

image by:I AM NIKOM / Shutterstock.com

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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