米選手団が渡航拒否なら五輪は中止。それでも進まぬワクチン接種の後手後手

 

しかし、日本側で対応する大会関係者全員がワクチンを接種していないので、コロナ感染者ではないと完全に言える日本側大会関係者はひとりもいない。そのため、完全な隔離措置は不可能である。全ての関係者が毎日PCR検査を受けて対応することも、経費的にできないのだ。

この状況は、「ワクチン接種を五輪開催までにする必要がある」と言った私の見解を、世界の選手も同じく言っていることになる。そして、現在の状態は少なくとも五輪まで続く。ということは、五輪開催は「絶望的になった」ことを意味する。

その上、今後東京の感染拡大を受けて、6月にも再度発出の可能性がある「緊急事態宣言」が出されたら、海外選手団、審判などの渡航拒否が起こるのは確実である。

このような事態になり、日米会談も4月前半から4月16日に変更された。米国内で五輪の対応を検討する時間が必要になっていると思われる。

そして、米国の選手団が日本に来ないなら、自動的に五輪は開催不可能になる。

先週は「もし、緊急事態宣言が発令されたら」としていたが、現時点では、ほぼ確実に「6月には緊急事態宣言下」になり、その後に東京五輪をおこなうことになる。7月に感染者が拡大している可能性もある。

そのため、「米国選手団の渡航拒否」で五輪が中止になる確率が高くなったと言わざるを得ない。

菅首相の指導力不足は致命的なレベルで、危機対応時に何も決めないし、この状況を何もせずに漫然と過ごしている。危機時の判断力が決定的にないと言わざるを得ない。

そして、五輪開催不能となると、9月の自民党総裁選挙まで、菅首相でよいのかと言う議論が出てくる。そろそろ議論が自民党内で始まっているような感じもする。このままでは「自民大敗」が見えている。

さあ、どうなりますか?

image by: Ned Snowman / Shutterstock.com

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