強く思うのは、枢軸日本の名誉回復というファンタジーとしての右派と、あらゆる軍事的なものを否定するファンタジーとしての左派、いずれも全く地に足のついていない中で、左右対立から建設的な合意形成がアウトプットして出てこないという問題が1つあります。
もう1つは、民間主導の経済合理性と国家主導の計画経済の「どちらを強化するのか?」「どちらが有効なのか?」という問いは、もう全く意味がなくなっており、現在は「民間も政治もどちらも等しく劣化が進んでいる」という認識です。
この2つの原点を探りながら、日本の文化、伝統、思考様式の中にある「それでも残る美点・長所」をえぐり出して、どこかで「経済社会の衰退速度をスローダウン」できないか、そんなことを思うのです。
そう考えると、個人的には菅さんというのは消去法で残ります。石破や岸田では、あるいは野党では、何が問題かも分かっていないからです。
太郎さん(河野)には希望を感じますが、彼には教育改革(公立小中の能力別)と雇用改革(解雇規制の解除)、英語公用語化、そして旧枢軸の名誉を切り捨てた上での自主防衛(ただし、非核兵器、軽武装)という4大改革をやって欲しいと思います。
コロナと五輪の敗戦処理で太郎さんを潰してしまっては、ラストチャンスを失うことにもなりかねません。(メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』より一部抜粋)
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