『青天を衝け』渋沢栄一が生涯をかけて貫いた「経営者の在り方」とは

The statue of Shibusawa Eiichi in front of Fukaya station in Fukaya city, Saitama, Japan. December 13, 2020
 

渋沢翁の言葉

そして、渋沢翁は自分の言葉でこう言っています。

富を先にして道義を後にすれば、金銭万能のごとく考えて、大切なる精神上の問題を忘れて、物質の奴隷となりやすい。

富豪といえど自分独りで儲かったわけではない。言わば社会から儲けさせてもらったようなものである。

だから、社会に利益を返すのが経営者の務めだと言っているのです。本当に素晴らしい考え方ではないでしょうか。

渋沢翁の経営者に対する言葉をもう少し拾ってみます。

人の禍は多くは得意時代に萌(きざ)す。

絶頂期には心を引き締めなければ失敗するということですね。

事に当たりて奇矯に馳せず、頑固に陥らず、善悪を見分け、利害得失を識別し、言語挙動すべて中庸に適う。

素直な心で物事を見よ、ということでしょう。

勉強の心を失ってしまえば、その人は到底進歩発展するものではない。

経営者も勉強しなくなったらおしまいだと言っています。また、勉強熱心な従業員が多ければ事業がうまくいくということです。

ただし、理論や理屈だけではダメで、学んだことを実践してこそ意味があると渋沢翁は指摘しています。

競争には善意競争と悪意競争の二種類がある。善い工夫をなし、知恵と勉強をもって他人に打克つというは、これすなわち善競争。他人の事業への世間の評判が良いから、これを真似てかすめてやろうと側(はた)の方からこれを侵すのは悪競争。つまり、妨害的に人の利益を奪うというのが悪意の競争である。

競争にも良い競争と悪い競争があるということですね。現代では、どちらの競争が多いでしょうか。そして、あなたの競争はどちらでしょう。

いかがでしょうか。まだまだ紹介したい言葉はありますが、これくらいにしておきます。あとはご自分で体感してみてください。

■今日のツボ■

・渋沢栄一翁の「論語と算盤」は、経営者のあり方を書いたもの
・経営者は、自分の為だけではなく、社会のために利益を追求する
・経営に必要なのは、正しい考え方と正しいやりかたである

image by: Picturesque Japan / Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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