大村知事リコール不正署名で押された「指印」に滲む主唱者の本気度

 

【サーチ&リサーチ】

*「指印」は何を意味するのか。興味深い記事が並んでいる。

2017年12月10日付
東京都江東区の富岡八幡宮で宮司の富岡長子さんが殺害された事件で、自殺した弟の元宮司富岡茂永容疑者とみられる人物から、長子さんを批判する手紙が事件後に氏子らに届いていたことが分かったという記事の中で、以下の記述。手紙は封筒入りのA4、8枚で、「茂永容疑者の署名と指印が押してあった」という。

*手紙は、自分の息子を後継の宮司にしろなどと要求するもので、実行されなければ「死後も怨霊となり、永遠にたたり続ける」と書かれていた。命を懸けた「本気」の行動であり、この要求をしているのは「私」自身なのだということを強調するために、「指印」が押してあったということだろう。続いては…。

2019年6月5日付「こちら特報部」
「こちら特報部 私はS(捜査協力者)だった」という記事。石川県加賀市の温泉街にある風俗店で働いていた男性が、警察の捜査協力者にさせられ、「白紙の調書に私の氏名を署名するよう求められた。指印も押した記憶がある。頼まれた枚数は覚えてないくらい」。何のために使うのかは聞いていなかった。「警察に協力すれば覚醒剤をやっていても捕まらないと思った」」と。

*調書にニセの「信頼性」を与えてくれる「指印」の存在。

2020年11月8日付
東京都中央区明石町の歴史についての記事。「明治維新後の1869年に一帯は外国人居留地となり、主に海外から訪れた医師や宣教師などの知識人が滞在した」のが明石町。その居留地通り沿いに「指紋研究発祥の地」と刻まれた石碑がある。

「指紋による個人識別に関する初めての論文を学術誌に発表した英国人医師フォールズが、この地に住居を構えていた。フォールズは日本の指印の習慣に着目。都内の貝塚で出土した土器に残る指紋の跡からもヒントを得ていた。今や世界中で犯罪捜査の基本となった研究は、日本の文化から生まれたものだったのだ」と。

*個人を特定する科学的で確実な情報としての「指紋」。その究極の個人識別情報を自ら公開する、さらす行為としての「指印」。

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