テレビの草創期から現在までの長きに渡り、まさに八面六臂の活躍ぶりを見せ続けている黒柳徹子さん。そんな黒柳さんには、仕事をしていく上で大切にしている言葉があるといいます。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、かつて黒柳さん自身が語ったそれら4つの至言が紹介されています。
「修練と勇気、あとはゴミ」 黒柳徹子(女優・ユニセフ親善大使)
私にはあんまり、こうしたい、ああしたいという野望はないんです。いまここにあるものを、どうすれば切りひらいていけるかという考えで生きてきたので。
ただ、努力はしますよ。俳優の渥美清さんは私の芝居をよく見に来てくださったのですが、感想は、
「お嬢さん、元気ですね。元気が一番」
といつもそうでした。
また長年指導していただいた劇作家の飯沢匡先生も、台本をどう演じればよいかを伺うと、
「元気におやりなさい。元気に」
とおっしゃった。
その頃は元気だけでいいのかなと思ったんですが、いまとなれば、どんなに才能があっても、結局、元気でなきゃダメなんだということが分かるんです。
「元気が一番」という渥美さんの言葉も随分私の力になっていますが、もう一つ仕事をしていく上で大事にしているのが、マリア・カラスの言葉です。20世紀最高のオペラ歌手と謳われた彼女が
「オペラ歌手にとって一番必要なものはなんですか」
と聞かれた時に、こう答えたというんです。
「修練と勇気、あとはゴミ」
と。
彼女は生前、40ものオペラに出たんですが、楽譜を見ると分かるように、それぞれに物凄く細かい音がある。しかし彼女はその全部に対して、
「絶対にこれでなければダメだという音を、私は出してきた」
と言い切っている。要はそれくらいの修練をし、身につけてきたということでしょう。私は毎年1回、舞台をやるんですが、その時にはやはりね、
「修練と勇気、あとはゴミ」
と思いますよ。そのためには1か月半の稽古をし、2,000行におよぶセリフを覚えなければならない。だから皆と飲みに行くことも、ご飯を食べに行くこともなく、稽古場から家に帰って、あとはずっとセリフを覚えたり勉強をしたりで、全神経をそこに集中させていく。
もう一つ、これはイギリス人の方が教えてくれたのですが、
「ある人が飛躍して才能を発揮する時には、皆が寝ている時にその人は寝ていなかった」
という言葉があるんです。つまり努力をしたということでしょう。でも並の努力ではそこまでいきません。
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