現代にも通用する。日本の経営者が学ぶべき「中国古典」の金言6選

 

経営に関する言葉3つ

次は、経営に関する言葉を3つ紹介します。

天下に忌諱(きき)多くして、民いよいよ貧し

『老子』にある言葉です。あれもダメ、これもダメと禁令のたぐいが増えれば増えるほど人民の生活は貧しくなる、と教えています。

例えば、江戸元禄時代、世の中が華やかになったときに、享保の改革が行われました。さまざまな締め付けが起こったことで、庶民の生活が貧しくなってしまったのです。その後の寛政の改革や天保の改革でも同じでした。このように、老子の言葉は多くの歴史が証明しています。

経営も同じかもしれません。経費節減で締め付ければ一時的には利益が出ますが、従業員のモチベーションが下がって会社の成長にはつながりません。

老子は、この言葉に続いてこう言っています。

「人間の知恵が増せば増すほど不幸な事件が絶えず、法令が整えば整うほど犯罪が増える」

企業が犯す事件も、このことが原因かもしれません。

政をなすの要は、ただ人を得るに在り

唐の名君太宗の政治言行録、『貞観政要』にある言葉です。

「優れた政治を行うための最大のポイントは、人材を得ることである」

と言っています。太宗が人材を大切にしたことは、名君と言われた理由の一つです。いかに有能でしっかりとした人物を登用するかということに腐心をしたと言われています。やはり、国は「人」です。

振り返って、最近の日本はどうでしょう。「人」を得ているでしょうか。トップの顔色をうかがってばかりいる政治家や官僚。周りにイエスマンばかりを置きたがるトップ。とても「人を得ている」ようには見えません。これでは、国は衰えていきます。

政治だけではありません。経営や組織の世界でも同じです。「人を得る」努力を怠ったら、衰退していきます。はたして、あなたの所属する組織は「人を得ている」と、胸を張って言えるでしょうか。

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