現代にも通用する。日本の経営者が学ぶべき「中国古典」の金言6選

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江戸時代、日本の学者たちは「中国古典」の研究を熱心におこなっていました。その中国古典の言葉には、現代のビジネスに深く関わるものがいくつも存在しており、その言葉を日本流にアレンジすることで、今の日本経済が作り上げられてきたと言えるのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では、昨今のビジネスにも応用できる中国古典の一節を6つご紹介しています。

中国古典から経営を学ぶ

中国古典は、本当に面白いです。人生や仕事への示唆に富んだ言葉があふれています。江戸時代の学者が熱心に研究してくれました。今の日本があるのは、そのお陰かもしれません。

経営者に関する言葉3つ

まずは、中国古典の言葉から、経営者に関するものを3つ紹介します。

愚者は成事に闇(くら)く、智者は未萌に見る

中国前漢時代に編纂された歴史書『戦国策』からの言葉です。

「愚かな人は、ものごとが形になって現れてきても、まだそれに気が付かず、優れた人は形に現れる前に適切な対策を講じる」

といった意味にでもなるでしょうか。

働き方改革が、世の中の流れです。セクハラやパワハラで職を失った政治家や指導者は、働き方の変化に鈍感だったのでしょう。「成事に闇い」と言うことです。

一方、フェイスブックのザッカーバーグやアマゾンのベゾスなどは、「未萌」を見ていました。インターネットが持つ力を。

そして、今の「未萌」は、「AI」です。AIによって、社会は変化していきます。インターネットが世の中の仕組みを変えた以上にAIは大きな変化をもたらすでしょう。きざしを見ている「智者」はどこに潜んでいるのでしょうか。

忠信以(も)ってこれを得、驕泰(きょうたい)以ってこれを失う

中国戦国時代(前5世紀~3世紀)に書かれた経典『大学』からの言葉です。この言葉の意味は

「人々の支持を得るには、自分をあざむかず、嘘をつかないことが必要で、逆におごり高ぶって勝手なことやでたらめなことをすれば支持を失う」

ということです。

もちろんこの言葉は一般の人にも当てはまりますが、特に上に立つ人や、リーダー、経営者にとって必要な心構えです。あなたの周りの経営者やリーダーにそんな人はいないでしょうか。業績の悪化した企業や、トラブルを犯す企業には、そんな人がいるのかもしれません。

そして、最近の政治家の中には、「おごり高ぶってでたらめなことをする」人が見受けられます。『大学』の教えによれば、そんな政治家は失職するはずですが、どうでしょう。

呑舟(どんしゅう)の魚(うお)は、枝流(しりゅう)に游(およ)がず

『列子』からの言葉です。『列子』は、中国春秋戦国時代の鄭(てい)の国の思想家、列禦寇(れつぎょこう)の作とされています。この言葉の意味は

「舟をひと呑みにするような大きな魚は、川の支流には泳がないものだ」

ということです。つまり、

「大きな志を持つ者は、小さなことや細かいことにはかかわらない」

というような意味になります。また、これは人生の目標の持ち方も示唆している言葉です。小さな目標しか立てられなければ、大きな目標には到達しない、そして、目標を立てたならわき道にそれず、まっすぐに向かっていくことだ、と言っています。ユニクロの柳井正会長やソフトバンクの孫正義会長などは、まさに呑舟の魚ですね。

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