年金受給者が長年「行方不明」の場合、遺族年金は受け取れるのか?

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さて、本人が死亡した時はその死亡日を基準として、その時に生計維持されていた遺族を調べたり、死亡日までの保険料納付記録を調べたりすればいいです。

しかし、死亡してるのか何なのかわかんない状況というのがあります。

それは行方不明になった時です。

行方不明なんて日本ではそんな無いでしょ(笑)と思われるかもしれませんが、毎年8万人は新規で行方不明になっています。

よく認知症の方の徘徊とかもありますし、高齢化率も非常に高い国なのでそう考えると行方不明というのは割と身近な問題なのかもしれません。

行方不明になって、全く連絡も付かないどこにいるのかも全く分からないからといって、もう遺族年金を請求したいという事はできるのかというと基本的にはできません。

ただし、見つけるまで遺族年金を請求できないとなるとそれはそれで困るので、一定の期間を過ぎると遺族年金の請求ができる事になっています。

それは行方不明になってから7年が経つと、裁判所で失踪宣告を申し立てる事が出来ます。

そして失踪宣告が確定すると、行方不明から7年経った日が死亡したとみなされる日となります。

どこにおるかわからんけども、もう7年経った日に死んだものとするという事ですね。

例えば平成26年9月1日から行方不明になったなら、その7年後の令和3年8月31日を裁判所で死亡したとみなしてもらって、令和3年8月31日を死亡日として令和3年9月分から遺族年金が支払われる事になります。

ちなみに船や飛行機の事故から3ヶ月経っても生死がわからない、もしくは3ヶ月以内に死亡したのは間違いないけどいつ死亡したかわからない場合は事故日に死亡したものと「推定する」事になっています。

あの東日本大震災の時もその3ヶ月が適用されて、平成23年3月11日に死亡したものと推定するという事になってます。

「推定する」というのは、おそらく死亡したのだろうと推測するものであり、もし生存していた場合は過去に支払われた遺族年金は返還してもらう事になります。

7年経った場合の死亡したものとみなすというのは、法律で死亡した事にするので(死亡と決める)、もし生きてたとしても見つかるまで貰って来た遺族年金は返す必要は無いという違いがあります。

ところがここで考えてもらいたいのですが、遺族年金って死亡日に生計維持されていたかという事を見ますよね。
他に死亡日以前の保険料納付記録を確認したり。

でもずっと行方不明だったのに、行方不明から7年経った日に同居してたか、保険料を3分の2以上満たしてたかというのを確認するのは合理的な事ではないので、このような事は行方不明になった日の状況で見ます。

やや時間的なズレがあるので、その辺を注意しながら考えていきましょう。

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