できることならしっかり定着させたい苦労して記憶した学習内容ですが、実現させるコツが存在するようです。今回の無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』では著者で漫画『ドラゴン桜』の指南役としても知られる親野智可等さんが、少ない時間と労力で、より多くの内容を長期記憶として定着させる復習のタイミングをレクチャー。心理学を応用した、試す価値大の学習法です。
復習のタイミングを管理すれば効率的に記憶できて学力が上がる
勉強内容を身につけるために絶対的に必要なのが記憶という作業です。せっかく勉強した内容をすぐ忘れてしまうのは残念なことであり、できるだけ長く記憶に留めたいですし、できたらずっと覚えていたいものです。
そこで、参考になるのがエビングハウスの忘却曲線です。エビングハウスという心理学者が、まず被験者たちに3つのアルファベットの意味のない並び方をたくさん記憶させました。そして、時間の経過によってどれくらい忘れていくかを調べ、それをグラフにしたものが忘却曲線です。
このグラフを見ると、記憶して20分経つと42%も忘れてしまうということがわかります。そして、1時間後には56%、1日後には74%、1週間後には77%、1ケ月後には79%も忘れてしまうのです。本当に悲しくなるくらいよく忘れてしまうものですね。もちろん、個人差や年代差もあるとは思いますが、人間は忘れっぽいということは事実のようです。
では、忘れる率を減らし、記憶を定着させるにはどうしたらいいのでしょうか?
言うまでもなく大事なのが復習です。しかも、タイミングのよい復習です。20分後には42%、1時間後には56%も忘れてしまうのですから、まずは20分以内あるいは1時間以内に復習することが必要です。
その後は、1日後(つまり翌日)、3日後、1週間後、1カ月後、3カ月後、半年後、というようにだんだん間隔を長くして復習していきます。ただ闇雲に復習するよりも、タイミングを意識して復習する方が効率的なのです。このタイミングをうまく管理することで、少ない時間と労力でより多くの内容を長期記憶として定着させることができます。
初出『Smile』(学研エデュケーショナル)
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