「ワクチン打った?」中国在住邦人が現地で突きつけられる踏み絵

 

広州で感染者が出たことでこんなことがありました。うちのスタッフのご両親が孫の顔を見に先週福建省から広州に来ていたのですが、一昨日突然保健所から携帯に電話があり、「先週広州に行かれましたよね?体調はどうですか?」と聞かれました。「特に問題はない」と答えたのですが「広州で感染者が出たのはご存じですか?PCR検査受けましたか?」と聞かれ、「そうですね。明日にでも受けに行きます」と答えたそうです。すると「大丈夫です。ご自宅から動かないでください。迎えに行きます」と。そして十数分後に救急車が自宅前に止まりそのまま病院へ連れて行かれて検査を受けたそうです。陰性だったので「しばらくはあちこち出歩かないように」と言われ帰宅したとのこと。

こんなことを人口14億人の中国でやっているとは…。

中国の新幹線は身分証が無いと買えないので誰がいつどこ行きに乗ったかがすぐにトレースできるのです。これは犯罪解決や防止にすごく役立っているそうですが、こんなところにも効いているようです。

そしてもう一つはわが同僚。先々週に成都から広州に出張(2泊)したのですが、広州での感染者発見日から14日遡った期間内だったため、とっくの昔に成都に戻っていた彼の「移動履歴」が緑から赤に変わってしまいました。最近は緩くなっていますが、空港や病院、役所などの公的機関は住所に紐づいている「健康コード」と携帯電話の基地局のデータから表示される過去14日間の「移動履歴」の両方が緑でないと中に入れません。赤は「要検査」で黄は「検査結果待ち」です。このままでは行動が制限されてしまうので一昨日早速検査に行ったそうです。結果が陰性で本当に良かったです。工場で一人出ると生産停止、工場徹底消毒、全員PCR検査、対策実施で役所の監査で合格にならないと再操業できないので、営業的に非常に大きなダメージを受けてしまうところでした。

今回も徹底的なスクリーニングで抑え込んでくれることを期待しています。

著者/Mochi(「『華南の風』中国・深セン」連載)

image by: Maria Passer / Shutterstock.com

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