KDDIがフードデリバリー業界3位「menu」と業務提携を決めた裏事情

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KDDIとフードデリバリーのmenuが資本業務提携を発表し、提携を記念したキャンペーンなどもスタートさせました。menuは2020年4月のサービス開始からわずか1年で47都道府県で展開し、約6万店の加盟店舗数を実現した会社。KDDI側の提携の狙いはどこにあるのでしょうか?メルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』著者でケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんが、統一ID基盤強化を進める携帯事業者4社の現時点での強みと弱みを絡めて解説しています。

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KDDIがフードデリバリーのmenuと資本業務提携契約──統一ID基盤でau経済圏拡大を狙う

6月2日、KDDIはフードデリバリー事業を手がけるmenuと資本業務提携契約を締結したと発表した。menuはUber Eats、出前館に続く、フードデリバリーでは国内3番手と言える存在。資本業務提携は今さら感がある気もしなくはないが、KDDIでは「フードデリバリーサービスが持つ情報量」に注目しているのだという。

フードデリバリーでは、店舗が得られる顧客の情報が、来店に比べて少ないという点がある。どのような客が注文したのか、属性や趣味嗜好、利用シーンなどが把握できないというのだ。

これが、ID連携ができていれば、例えば、自宅でフードデリバリーを利用した飲食店での情報を元に、外出先で店内飲食するよう送客する、といったことができるようになる。統一ID基盤を生かすことで飲食店だけでなく、小売店などの他業種へのデータ連係や応用が可能になるというわけだ。

ここ最近、一般のメディアでは「QRコード決済の決済手数料が有料化されると店舗側がサービスを使わなくなるのではないか」といった懸念報道が目立ち始めた。単にQRコード決済を現金払いの置き換えとしか捉えていないと、このような指摘になりがちだ。ソフトバンクを筆頭にKDDIやNTTドコモ、楽天などのキャリアがQRコード決済に注力しているのも、こうした統一ID基盤を生かせるビジネスモデルを描きやすいという立場にいるからだ。

毎月の携帯電話料金の支払いでポイントが付与され、そのポイントをQRコード決済で、街中で使う。結果として、ユーザーと店舗がQRコード決済で紐付き、店舗方がそのデータを元に、マーケティング活動に使えるようになる、という構図が綺麗に描ければQRコード決済を導入し続けるメリットがあるというものだ。

ただ、この店舗と顧客の接点を、大手企業だけしか活用できないようであれば、中小店舗は一気にQRコード決済から手を引くことだろう。やはり、中小店舗の方が手数料の負担は大きいのは間違いない。中小店舗が手数料を負担しても、顧客との接点を継続し、来店を増やせる機会を増やすような仕組みを提供する必要がありそうだ。

そう考えると、ソフトバンクはPayPayとLINEを所有し、顧客接点ならびに決済できる店舗の多さという点で圧倒的に有利な立場にいるが、ユーザーの動かすポイントサービス連携が弱いような気がしてならない。一方、ポイントサービスに強い楽天はリアル店舗での顧客接点が弱い感じがしている。

NTTドコモ、KDDIはモバイルの顧客基盤は大きいが、決済がPayPayに比べると弱い。4キャリアで、どの会社が統一ID基盤をうまく回すことができるのか。勝者が決まるのはこれからなのかも知れない。

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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