もうひとつ、これは証券会社勤務時代に、ある著名な経済評論家からこっそり教わったことをお伝えしましょう。
その先生の事務所に英語の格言ポスターがあったのですが、直訳すると「あなたが正しい時は誰も覚えていないが、あなたが間違った時は誰も忘れない」というメッセージ。そうか、経済評論家は間違ったら大変なんだなと思って、そう先生に告げると、実は違う意味で、この言葉を肝に銘じているとおっしゃるのです。
「バカに間違っているよと教えると恨みに思う」
「だから間違っているよと教えて良いのは賢い人にだけ」
これは、20代の私には衝撃的な言葉でした。
極論すると「バカにバカと言ってはいけない」ということです。つまり「バカはバカと言われるとそこから学ばず怒るだけ」ということでしょう。
以来、なかなか難しいことではありますが、私は、その教えを守るようにしています。
もちろん、言いたい気持ちになることもあります。しかし、思い切って言ったところで、意味がないどころか逆恨みされるのでは、指摘し甲斐もないですからね。
ということで、「笑ってやり過ごし、あえて間違いを指摘をしない」のは、ズルいどころか、賢いとさえ思うのです。
あとは、その人に会わないための知恵と、その店に変わる居心地の良い場所の発見が必要ですね。願わくば、その新しいお店が、お互い腹の底からホンネで語り合い、学び合い、成長できる友と出会える場所でありますように。
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