米から帰国で「犯罪者」扱い。メディアが報じぬ理不尽な日本の入国管理

 

「この友人はユナイテッド航空を利用してNJ州のニューアーク空港に到着、帰国2日前に日本からの帰国時も制限を受ける規制には入れられていないニュージャージー州で陰性証明を取得して帰国しましたが、その周辺のニューヨーク州、コネチカット州から帰国する場合には6月4日以降、指定施設で3日間隔離という通達がありました。そもそもNYを規制するのにNJは不問ということ自体、日本側で言えば千葉の成田空港に到着した人が帰国時に再び千葉に戻って陰性証明をとれば東京には行っていないという言い訳を認めるような変な規制です。NYをターゲットにするのであれば日常的に行き来が行われているその周辺州も一緒に制限しなければ意味がありません」

「ニューヨーク州ではワクチン接種率が70%に達し、ニューヨーク州の中でもどうしても感染率が高くなるニューヨーク市でも陽性率は0.6%以下、うち懸念されているデルタ株は5.6%ほどと少なく、ほぼ39%を占めるアルファ株などと違って特にこの変異種に対して注意喚起を促さないとならないような状況ではありません。領事館もなぜこのような措置をNY州からの帰国者が受けないとならないのか、決定の基準がまったく不明だと当惑していました。大都市のNYではインドなどから入ってくる人の流れも多いだろうというだけの理由だと思うのですが、各国から人が流入するとはいっても英国のような強い結びつきをインドと持っているわけでもなく、感覚ではなくきちんとしたデータを基に判断を行っていただきたいものです」

読んでいるうちに腹が立ち、だんだん情けなくなってきました。責任の所在も明らかでない丸投げの民間企業に、「不届き者」にされてしまう恐れがあるなど、メディアは報じていませんね。

それにしても、陽性者と濃厚接触者を出したウガンダ選手団と同じカタール航空で来日した残りの72人の乗客は、上記のような入国チェックを受けたのでしょうか。追跡は行われているのか。厚生労働省はメディアに「答えられない」としていますが、ますますもって日本の水際対策のひどさが感じられてなりません。

この理不尽さを感じないほどメディアが鈍感になっているのではないかと、心配になってきました。(小川和久)

image by: Shutterstock.com

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地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。一流ビジネスマンとして世界を相手に勝とうとすれば、メルマガが扱っている分野は外せない。

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