リニア残土で埋め立てか。相模原市で進む牧場建設計画「土石流」の危険度

 

2016年

* 6月、熊本で豪雨(4月には熊本地震も)から土石流発生。

* 9月、群馬県沼田市で、住宅4棟が一部損壊する土石流。

2017年

* 1月、富士山の噴火を想定し、国交省と静岡・山梨両県が、噴火時の溶岩流や融雪に伴う土石流に備える計画を策定。

* 3月、南米コロンビアで大雨のため3つの川が氾濫し、土石流で254人が死亡。

* 4月、静岡県下田市で大雨の影響による土石流発生。

* 7月、九州豪雨。大分で土石流による犠牲者。豪雨による死者・行方不明42人。

2018年

* 3月、東富士演習場で民間の作業員2人が土石流に巻き込まれて死亡。「馬返し上流渓谷」で発生した土石流が6キロ流れ、演習場内の調整池に到達していた。ふじあざみラインにも。

* 6~7月。西日本豪雨で岡山県倉敷市真備町。雨の後、土石流が砂防ダムを乗り越え、川を堰き止めて大水害に。死者・行方不明者271人。

* *データ2018年12月27日付
「国土交通省は26日、2018年に発生した崖崩れや地滑りなどの土砂災害は、茨城、栃木、東京を除く44道府県で3,451件に上ったとの速報値を発表した。集計を始めた1982年以降で最多。西日本豪雨や北海道地震など大規模災害が頻発したためで、17年までの年平均(1,015件)の3.4倍となった。道府県別では、広島県が最多の1,243件で全体の3分の1を超えた。」

2019年

* 10月。東日本を縦断した台風19号の影響で、土石流や崖崩れなどの土砂災害は、東北から北陸、東海の19都県で211件発生。土砂災害による死者は11人。

* リニアモーターカーの建設工事で出た残土で谷を埋める計画があり、問題になっているとの記事。土石流になれば大量の土砂が流れ落ち、麓の集落を直撃するのではないかとの懸念。以下、20年9月20日付の「こちら特報部」記事から引用する。

「相模原市緑区の山中で計画されている牧場建設に、地元で不安が広がっている。谷あいの沢筋を大量の土砂で埋め立てる計画だが、崩落すると被害は隣の愛川町まで及ぶおそれがあるという。計画の背後には大手ゼネコンのフジタが付く。盛り土に使うのはJR東海から同社が受注したリニア新幹線のトンネル工事の残土という推測が地元では根強い」

* 千葉県が「土砂警戒区域」の指定を完了したと発表。19年豪雨の時には、県内指定率36%で全国都道府県ワーストだった。住民4人が死亡した3カ所は当時未指定で、災害後、慌てて指定を進め、新たに7,000カ所が指定された。さらに、国交省の指針改定を受けて傾斜角度30度以上、高さ5メートル以上の地形要件を満たしている危険箇所1万744カ所を新たに「基礎調査予定箇所」とし、5年間で指定完了を目指すと(2021年5月30日付)。

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