フランスの小売店「セフォラ」に学ぶ、“小型店舗”出店加速のメリット

 

消費者は欲しい商品をネットで探して、ある程度わかる場合はそのまま買います。ただ、テレビや雑誌、口コミなどで新商品を知り、ネットで探した時に、お試しをすることはできないので、リアル店舗にいき実際に試着や試食をして、買う、ということになります。

このあと、もう一度買いたい、となった時にはリアル店舗に行ってもいいし、ネットでも買える、という形にしておけば、リピート買いにつながります。

インターネット通販が定着してきたことが背景にあり、リアル店舗とオンライン通販を融合させて、どちらでも買えるように集客力を高めていきたい、という狙いが見えます。

ネット専業の小売業だったアマゾンが、ホールフーズを買収したり、リアル店舗のアマゾンブックスを作ることで、ユーザーの「探し」「買い」「受け取る」という一連の買い物の流れを、つなぎ目のない“シームレス”にした、「チャネルシフト」と逆ですが、同じ考え方ですね。

やはり実際に商品に触ることができるリアル店舗は、その意味でも強いのですが、その際に、小型店舗でできる限り多くのユーザーに、接するという意味で「面をとっていく」、という戦略をセフォラはとっています。

小型店舗化の動きは、日本でもあります。ここのところ、駅近に小さめの銀行ATMも増えましたし、おにぎりの専門店や、メロンパン、唐揚げ店なんかも見かけるようになりました。また、家電量販店のビックカメラも、小物家電の店舗を、駅ナカに出しているのも、セフォラと同じ考え方の戦略です。

ワクチンが普及して、人手が戻ってきた時に備えて、小型店舗を出せるようにしておく、というのはその意味で、ありだと思います。

その時に大事なことは、このセフォラのように、お客様が「もう一回買いたい」と思った時に、いつでも買える仕組みをつくっておくことです。自社でアプリを作ることができればそれが一番ですが、それが難しい場合は、LINEビジネスに登録してもらって、初回購入以降、定期的にニュースを配信するとか、ITを使っていろいろな工夫ができます。

このような小型店舗の出店、チャネルシフト戦略として、有効な事業戦略です。

image by:2p2play / Shutterstock.com

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