倉持医師の正論に国民から大拍手、コロナ中等症「自宅療養」に批判殺到。菅政権の矛盾と隠蔽に公明党すら反旗、早くも方針撤回のグダグダ状態に

2021.08.04
by tututu
km20210512
 

新型コロナウイルスの入院対象者を重症者らに絞り込むとした政府方針に対し、波紋が広がっている。2日、政府は重症化リスクの低い中等症患者などを原則、自宅療養とすることを表明。自宅療養を基本とする新たな方針を打ち出した。これに対し、医療の現場からは批判が殺到。与党からも「中等症以下の切り捨てと受け取られかねない」など、厳しい声が上がっている。

倉持先生が大激怒「菅首相は至急辞めた方がよい」 

重症化リスクの高い高齢の感染者の減少や、デルタ株の広がりに伴う感染者増を背景に、病床逼迫を避ける狙いがあるが、これまで原則としていた入院や宿泊療養が自宅療養に変更され、事実上の方針転換となる。

ホテルなどでの宿泊療養も「家庭内感染の恐れや事情がある場合に活用」と対象者を絞り込むことになるという。

こうした政府の新たな方針について声を上げたのは、情報番組のコメンテーターとしても活躍する、インターパーク倉持呼吸器内科院長の倉持仁氏。

倉持氏は3日、出演した『Nスタ』(TBS系)の中で、コロナ治療の最前線にいる立場から「言っていることがめちゃくちゃ」と今回の方針変更を非難。そのうえで、「中等症2とかで治療に介入していてはもう間に合わない。より早い段階で治療に介入しなければいけないので抗体カクテル療法を承認したはず。その治療は軽症者のうちにしなければならないが、入院しなければ薬は使えない」と語った。

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さらに、菅首相と小池都知事について、「この2人がおっしゃっていることというのは、国民にまっとうな医療体制を供給しませんよというメッセージだと思う。こういう人たちに国を任せては国民の命は守れませんから、2人とも至急お辞めになった方がいい」と強い言葉で非難した。

鬼気迫る勢いで意見した倉持氏の迫力にスタジオは沈黙。キャスターのホラン千秋(32)は「あの…」と言うしかできなかった。

患者の命を守るために戦っている倉持氏の声。国民の命を守るべき立場の菅首相にこの悲痛な叫びは届くのだろうか。

与党内から批判噴出も全ては政府の見通しの甘さが原因

怒っているのは倉持氏だけではない。与野党や自治体からも厳しい声が殺到した。

公明党の山口那津男代表は3日、菅義偉首相と首相官邸で会談し「中等症の方々にも丁寧に医療的ケアが受けられる対応をお願いしたい」と要望。

公明党の石井啓一幹事長は自民党の二階俊博幹事長に対して、「中等症患者は治療してもらえないのではないかと不安を抱く」と懸念を示し、国民への丁寧な説明を求めた。

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一方、立憲民主党の枝野幸男代表は「自宅療養というのは言葉だけで、“自宅放棄”としかいいようがない」と痛烈に批判。全国の自治体からも、「中等症で入院対象から外れる場合の客観的な基準を示してほしい」などとの声が相次いだ。

急な方針転換は政府の見通しが甘ったことに他ならない。

政府は高齢者へのワクチン接種の進展によって、重症者は減るとみていた。しかし、感染力が強いデルタ株への置き換わったことで新規感染者数は増え続けた。

にもかかわらず、政府や与党内ではこれからは重症者や死亡者数を見るべきなどの楽観論が主流となり、病床逼迫に備えていなかったことが最大の原因だとみられる。

菅政権の失政としか思えないようなこの現状。菅首相への国民の不信は募るばかりだが、二階幹事長は3日、「(菅首相に)続投してほしいという声の方が国民の間にも党内にも強いのではないかと判断している」と述べ、菅首相の続投支持を表明した。

また、加藤勝信官房長官は3日午前の記者会見で、新型コロナウイルス対応のための「政府与党連絡会議」は党が主催した会議だとし、「議事録や議事概要を作成することは考えていない」と述べ、“証拠を残さない”ことを明らかにしている。

公明党に怒られた?早くも自宅療養の方針撤回を示唆

こうした事態を受け、4日の衆院厚生労働委員会で田村憲久厚生労働相は、重症化リスクの低い中等症以下の患者は基本的に自宅療養とする方針を見直す可能性に言及。「病床確保のための対応であることを理解してほしい」と強調した上で「もしそうならなければ方針をまた元へ戻し、しっかりと(中等症患者も病院に)入ってもらえばいい」と述べた。時事通信が報じた。

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さらに同委員会では公明党の高木美智代政調会長代理が「酸素吸入が必要な中等症患者を自宅で診るなんてことはあり得ない。撤回も含めて検討し直していただきたい」と主張。与党内で意見がまとまっていない現状が浮き彫りとなった。

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