世界のジハード主義者を活気づかせるタリバン勝利
アフガン首都カブールの陥落、タリバン支配がこれほど早く起こるとは予想以上で世界が衝撃を受けました。
しかし、この「世界」というのは西側自由主義陣営を指しています。ジハード主義者にとっては、これは歴史的な勝利です。
ジハード主義者(Jihadist)とはイスラム神学の教義に基づいた社会の実現のために武力・暴力の行使も容認する人々です。
彼らにはこのタリバンの復活はAD630年に預言者モハメッドが聖地メッカを征服したときのような勝利と言います。
8月21日サウスチャイナモーニングポスト紙の記事によるとジハード主義者の活動が世界各国で活発化するとの事です。
【参考】Afghanistan:Taliban’s return ‘boosts morale’ of militant groups in Southeast Asia
以下、抜粋しましょう。
インドネシア、マレーシア、フィリピン南部の3カ国は、タリバンの勝利によって最も大きな影響を受けるだろう。
イスラム教徒はタリバンから「人々の心と支持を勝ち取る方法」を学ぼうとするだろう。
ジハード主義者はタリバンがアフガニスタンを奪還したことに陶酔しており、その様子はソーシャルメディアへの投稿からも伺える。
アフガニスタンに行って訓練を受けたいという願望を表明しているジハード主義者らがいる。
かつてタリバンがオサマ・ビンラディンにカンダハルでの訓練所開設を許可したのと同じように、アフガニスタンで軍事訓練を受ける機会があれば、彼らは必ず行くでしょう。
ジハード主義者たちは今、神が異教徒との戦いを助けてくれると確信しておりどれだけ時間がかかろうとも、勝利を与えてくれると信じている。
カブール陥落後、タリバンの戦略や戦闘戦術を記したアラビア語のマニュアルをWhatsAppのチャットグループで配布していた。
「ジャマ・ムスリミン・ヒズボラ」というイスラム教グループのメンバーの一部が、「タリバンから学ぶ」ためにアフガニスタンに人を送る委員会の設立を提案してきた。
ジハード主義者がインドネシアにイスラム国家を樹立するのを支援するために、タリバンにインドネシアに支部を設立するように招請する提案もある。
以上、タリバンの勝利が、どれだけ世界のジハード主義者を活気づかせているかがわかる話です。彼らの受け皿に新生アフガンがならないように、日本なりの圧力をかけるべきでしょう。
(メルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』 8月22日号より一部抜粋)
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