かならず相手に見抜かれる。他人の話を聞いている時に注意すべきこと

 

では、しゃべりたい気持ちをどうやって抑えればいいのでしょうか。「しゃべりたい」というのは、「自分の話を聞いてほしい」「今日あったことを話したい」「私のことを見ていてほしい」、あるいは「私の気持ちを理解してほしい」「もやもやをはき出してしまいたい」、あるいは「間違ったことを言っているから正したい」「あぶなくて見ていられない、放っておけない」などによるのだと思います。

これだと、あくまで自分を中心とした気持ちの発露、気持ちの整理です。相手への関心よりも「自分の言いたいことを話している」ことになります。相手から見ると、「きちんと聞いてもらった感じがしない」「私のことなんか、どうでもいいんだ」「自分のことしか関心がないんだ」ということになります。

コミュニケーションの原点に立ち返って、一方的なおしゃべりではなく、いま目の前にいる相手の話をどう丁寧に聞くか、どう深く理解するか、その結果をどう発展させていくかを考えながら聞くことで、今までのやり方では見つからない、あるいは見つけづらいことがアクティブリスニングによってかなり短時間のうちに見つかるようになっていきます。どういうとき、どういう質問をどういう順序でするのがいいのかまで自然に頭に浮かび、行動できるようになります。

真剣に聞くことで、状況を理解できるだけではなく、問題の本質までわかるようになることがアクティブリスニングの素晴らしい点です。

たとえば、「ZOOM会議が長くダラダラしている」という不満に対して話を聞き、よくわからなかった点は深掘りし確認してみたら、少なくとも会議リーダーの問題ではなかったということがわかった。そもそも会社のマーケティング基本方針が定まっていなかったし、さらに、テレビ広告を使うのかWEB広告を使うのか、予算や展開の順番をどうするのかなどの方針に矛盾があった。その根本原因に、社長の古くからの友人が広告代理店として妙な形で入り込んでいた、といったことがわかる場合もあります。

問題を表面的にしか見ていなければ、対処への答えを間違えますが(先ほどの例だと、「会議リーダーを交代させれば解決するにちがいない」「会議への参加メンバーをもっと増やせば、スムーズに議論できるにちがいない」など)、問題の本質を理解すれば、社長の古くからの友人の広告代理店との取り引きを見直す必要があることがわかります。

どんどん質問することで、表面上の問題から深掘りし、問題の本質を見抜くところまで進んでいくことができます。可能であれば対面のほうが望ましいですが、ZOOMミーティングでもそれほど問題なくできます。(その2に続く)

(メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』2021年8月23日号より一部抜粋。全文はメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』を購読するとお読みいただけます)

「考える力」を鍛えたい人に贈る『ゼロ秒思考』著者・赤羽雄二さんがあなたの悩みに答えるメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>

初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込880円)。

2021年7月配信分
  • 2021年7月26日号『良い習慣を継続し、悪い習慣をやめるにはどうすればいいでしょうか』(7/26)
  • 2021年7月19日号「どうしても部下の話を最後まで聞けず、さえぎってしまいます」(7/19)
  • 2021年7月12日号「このままだとじり貧なので、副業を始めて独立したいのですが」(7/12)
  • 2021年7月5日号「社長がビジョンを示してくれません。下から不満も出ているので、どうにかしたいのですが」(7/5)

2021年7月のバックナンバーを購入する

2021年6月配信分
  • 2021年6月28日号「情報収集に時間ばかりとられて、資料をまとめることができません」(6/28)
  • 2021年6月21日号「仕事が忙しくて彼女の話を聞けずにいたら、振られてしまいました」(6/21)
  • 2021年6月14日号(6/14)
  • 2021年6月7日号/創刊号「お世話になっている先輩が上司や同僚の悪口を言うのでストレスです」(6/7)

2021年6月のバックナンバーを購入する

image by: Shutterstock.com

赤羽雄二 この著者の記事一覧

ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクター 東大工学部卒業後、コマツにてダンプトラックの開発に携わる。スタンフォード大学大学院に留学し機械工学修士、修士上級課程を修了後、マッキンゼーに入社。ソウルオフィスをゼロから立ち上げるなど、14年間活躍。その後、ブレークスルーパートナーズ株式会社を共同創業し、ベンチャー共同創業・経営支援、大企業の経営改革、経営幹部育成、新事業創出に取り組む。韓国、シンガポール、インド、ベトナムなどの企業を支援。 著書に 『ゼロ秒思考』 『速さは全てを解決する』 『瞬時に切り返す会話術』 『自己満足ではない「徹底的に聞く」技術』 など、国内24冊、海外23冊。合計113万部超。 内外での講演多数。東京大学、早稲田大学、電気通信大学、北陸先端科学技術大学院大学講師。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」 』

【著者】 赤羽雄二 【月額】 ¥880/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 月曜日

print
いま読まれてます

  • かならず相手に見抜かれる。他人の話を聞いている時に注意すべきこと
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け