どの業界でもデジタル化が急速に進む昨今、不動産業界にもデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する企業が増えてきています。しかし、根強いアナログ文化を持つこの業界では、なかなか導入に踏み切れない側面もあるようです。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では著者の廣田信子さんが、不動産業界におけるDX化について企業がどのように感じているかについて詳しく紹介しています。
不動産業界のDX化がマンション管理に大きな影響を
こんにちは!廣田信子です。
コロナ禍の影響が大きく、不動産業界のDX化が大きな話題となっています。DXにつては、過去に書いています。
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不動産業界にいる知人が、業界が面している今の状況と対応の不手際を深刻な面持ちで話していました。不動産業界は、大きく変わらざるを得ない現実を感じつつ、しかし、どう変わっていいのか手探り状態なのだと思います。
「不動産業界におけるDX推進状況」(2021年7月16日まとめ・対象237社)によると、DXを推進している企業は90%以上となり、前年2020年の1.5倍となっています。
DX導入の目的(複数回答可)は、
- 業務効率化 85.2%
- 集客率アップ 40.1%
- 成約率アップ 32.5%
となっています。
そして、導入で苦労している点を聞くと、
- DX導入人材が確保できない 45.7%
- 費用が高いもしくは予算がない 42.5%
- 何から取り組むべきか又は導入ツールが分からない 29.2%
- 社内の体制整備含めて導入プロセスが分からない 24.7%
- 経営者の理解が得られない 14.2%
となっています。人材にも費用にも苦労し、何から始めていいかわからない状況が見えます。
DX化の費やす予算は、
- 50万円以下 33%
- 100万円超300万円以下 19%
- 50万円超100万円以下 16%
- 1,000万円以上 18%
となっていて、50万円以下が1/3なのに、1,000万円以上が2割という状況です。
本格的にDX化を図っている企業と、まだ、何をしていいかわからないでいる企業に2極化していく姿が見えます。
そして、不動産販売におけるDX化の推進状況が、間違いなくマンション管理業界にも大きな影響を与えるはずです。「売る」時代から「しっかり機能を高めながら住環境を守る」時代になっていくはずです。管理の付き合いは長いのです。
企業によってばらばらな、マンション管理業界のDX化に対する状況が、いずれDX化の2極化につながるのか気になるところです。DX化の問題もマンション管理業界にとって、今後重要な課題となっていくと思われます。
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