相手の立場がわかれば感情的にならなくなる
それでは、どうやったら感情的にならずにすむのでしょうか。感情的になるのは、「なぜそんなことをするのか」納得できず、迷い、あわて、びっくりするからです。馬鹿にされた、侮辱されたと思うからです。
ところが、相手の立場が理解できれば、そこまで感情的にはならなくなります。「なぜ」がなくなり、馬鹿にされた、侮辱されたと考える必要がなくなるからです。
「なぜ」と自問するのは、答えのない状況、答えがわからない状況です。「なぜ」がなくなって、馬鹿にされた、侮辱されたと考えずにすむようになると、気持ちが乱れなくなります。そして、はるかに落ち着いて仕事に取り組むことができるようになります。コミュニケーションの際もイライラしにくくなります。
では、相手の立場はどうやったらわかるのでしょうか。ただ想像しようとしても、簡単なことではありません。あるいは想像が一か所にとどまって、深まっていきません。
こういうときは、「A4メモ書き」で多面的な書き方をすると、短時間でかなり全体像をつかむことができます。
「無理難題を言う上司」の場合、次のようなテーマで書きます。上司をAさんとします。
- Aさんは、どうして無理難題を言うのだろうか
- Aさんは、誰に対して無理難題を言うのか
- Aさんは、誰に対しては無理難題を言わないのか
- Aさんは、無理難題を言っている自覚がないのではないか
- Aさんにとって、無理難題とはどういうものか
- Aさんには、無理難題という概念があるのか
- Aさんは、上司からどういう目標を設定されているのか
- Aさんにとって、部下とは何か、どういうものか
- Aさんは、部下にどういう目標設定をすべきと考えているのか
- Aさんは、上司はどうあるべきだと考えているのか
また、「やる気をまったく見せてくれない部下(Bさんとします)」の場合は、
- Bさんは、どういうときにやる気があるのか
- Bさんは、どういうときにとくにやる気がないのか
- Bさんは、やる気がないときに何をしていることが多いか
- Bさんは、そういうときに何を感じているのか
- Bさんにとって、仕事とはなんなのか
- Bさんがやる気を見せる上司とはどういうタイプか
- Bさんがやる気を見せない上司とはどういうタイプか
- Bさんは、いつからやる気がないのか。何か理由がありそうか
- Bさんは、会社勤めを続けたいと思っているのか
- Bさんの話を徹底的に聞くにはどうすべきか
などですね。
相手の立場がずっとよく見えるようになりますので、ぜひこういう「多面的な書き方」で書いてみてください。
(メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』2021年9月6日号より一部抜粋。全文はメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』を購読するとお読みいただけます)
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