借金1億を完済「食堂の看板娘」は88歳の双子姉妹!店を支える2つの味とは

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88歳の双子姉妹が切り盛りする、大阪は南船場の商業ビルの一角に佇む定食屋さんをご存知でしょうか。そんな関西圏のみならず全国放送番組でもたびたび取り上げられる名物食堂を紹介しているのは、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさん。佐藤さんは今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』で、彼女たちの会話やお客様の声を引きつつ、その人気の秘訣を分析しています。

1億円の借金を返済した、88歳双子姉妹のお笑い食堂

大阪市中央区南船場。このオフィス街に、サラリーマン・OLの胃袋と心を満たす、小さな食堂「十代橘(じゅうだいたちばな)」があります。

創業47年。ランチ激戦区にあって、コロナ前にはいつも大行列ができていた大人気店。コロナとなって、お客さまは半減したものの、地元にはなくてはならない食堂として、人びとに愛され続けています。店内飲食だけではなく、店先にはお弁当や惣菜がたくさん並んでいます。

この食堂の看板娘が、十代都喜子さんと葛野都司子さんの88歳双子姉妹。毎日元気に、お弁当やお惣菜を作っています。

お店を創業したのは、姉の十代都喜子さん。夫の会社が倒産したことで、生活費を稼ぐために、借金をして食堂を開業。その後、夫の借金の返済に困っていた、妹の葛野都司子さんが合流。2人の借金は、合わせて1億円にもなっていました。

中途半端な努力で返せる額ではありません。毎日毎日、朝早くから夜遅くまで、2人はがむしゃらに働き続けました。お客さまに喜んでもらえる料理を考え、作り、繁盛店を作り上げたのです。

その甲斐あって、借金はすべて返済。肩の荷を下ろすことができました。しかし、2人が力を抜くことはありませんでした。借金返済という目的は、働くことの喜びへと変わっていったのです。

お客さまが喜んでくれることが嬉しい。お客さまと会話することが楽しい。お客さまに必要とされることが生きがいに。

現在は、店主の座を姉・都喜子さんの息子さんに譲っていますが、その息子さんから「お母さん、おばちゃん、もうちょっと働いてや」と言われることが嬉しくもあり、生きる力となっています。

2人は、毎朝4時半からお店に出ています。姉の都喜子さんは、肉じゃがや鰯の天ぷら、ロースカツなど、“大きなおかず”を作り、妹の都司子さんは、菜っ葉とお揚げの炒め物やグリンピースと玉子の炊いた物など、“小さなおかず”を1人で10種類以上作っています。

“大きなおかず”“小さなおかず”は、2人の独特な言い方。お茶目な表現で、少しでも働くことを楽しもうとしているように感じます。

取材で見せたこの2人の会話は、まるで漫才のようでもあります。

妹・都司子さん 「いままでは夜9時に終わってたけど、いまは9時に寝れる」
姉・都喜子さん 「そやけど、昼間はやっぱり眠たいなぁ~」
妹・都司子さん 「ハハハハハハッ!」

また、別の会話では。

姉・都喜子さん 「(妹を指差し)この人は、老後は英語を習いに行きたいとか、三味線習いに行くって言うけど、もう老後やないかい!」

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