仕事は60歳でスパッと辞めよ。人生100年は嘘、死ぬ間際に後悔しない「FIRA60(ファイラ60)」の人生プラン

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人生100年時代と言われますが、健康でいられるのは70歳まで。定年が近づくにつれて、どのような老後を過ごせば良いか考え始める方も多いのではないでしょうか。元青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授で、現在は「MOTO教授」の名でマネー評論家など幅広く活動を展開、去る6月にメルマガProf.サカキの市況展望 プラス 教授に質問!』を創刊した榊原正幸さんは、「大好きではない仕事は60歳でスパッと辞めるべき」とし、残り時間の少ない人生の10年間は「好きなことしかやらない人生」にしないと、いまわの際で後悔すると大胆に提言しています。その理由とは?

※本記事は有料メルマガ『Prof.サカキの市況展望 プラス 教授に質問!』の2021年9月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:榊原正幸(さかきばら まさゆき)
会計学博士、税理士、マネー評論家。青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授、東北大学大学院経済学研究科教授を務めた経験から「MOTO教授(元・教授)」の肩書きで活動。資産形成のノウハウを発信し、60歳前後でリタイアする「21世紀の日本を生き抜く方法」を自らの経験と株式投資のプロの視点から提唱している。

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人生は100年時代ではない!一番大事なのは「人生の残り時間」

リンダ グラットンとアンドリュー スコット著、「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」が2016年10月に出版されて以来、「人生、100年時代」という言葉を頻繁に耳にするようになりました。

同書によると、2020年において20代前半くらいの若い人は、「2人に1人が106歳まで生きる」とのことですが、このことをもって、あたかも「みんなが100歳まで生きる」かのように思われてしまっているのは、明らかに間違いだと言わざるを得ません。

厚労省が令和2年に公表した簡易生命表によると、次のようになっています。

60歳男性:平均余命は24.21年(84歳前後で死ぬということ)

70歳男性:平均余命は16.18年(86歳前後で死ぬということ)

80歳男性:平均余命は 9.42年(89歳前後で死ぬということ)

90歳男性:平均余命は 4.59年(94歳前後で死ぬということ)

60歳女性:平均余命は29.46年(89歳前後で死ぬということ)

70歳女性:平均余命は20.49年(90歳前後で死ぬということ)

80歳女性:平均余命は12.28年(92歳前後で死ぬということ)

90歳女性:平均余命は 5.92年(96歳前後で死ぬということ)

男女とも、どの年代を取っても100歳まで生きるということにはなっていません。

健康に過ごせるのは70歳まで

しかも問題となるのは余命や寿命ではなく、「健康寿命」です。「健康寿命」とは、「健康上の問題で日常生活を制限されることなく過ごせる期間」のことをいいます。

2021年の時点では、男性の「健康寿命」は72.6歳、女性の「健康寿命」は75.5歳となっています。これらは、あくまでも「平均値」でしかないので、個人差が大きいと思います。

序にも書きましたが、実際には男女とも、「健康なのは70歳まで」と心得ておいた方がいいと思います。

もちろん、現在、20代前半くらいの若い人は、この「健康寿命」も、男性で80歳、女性で85歳くらいまで伸びる可能性はありますが、それにしても「人生100年時代」ではないわけです。(これから何年か後に、医学そのものや医療関連の技術が、革命的に進歩するような特異点を迎えれば、話は別ですが。)

そう考えると、今の中高年については、当分の間は、健康なのは70歳くらいまでだし、生きているのもせいぜい90歳くらいまでであって、「人生は100年時代ではない!」と声を大にして言いたいと思います。

「大好きではない仕事は、60歳で辞める」

そうは言っても、もしかして90歳や100歳まで生きていた場合に、老後の後半になって破産状態になってしまってはいけないので、もちろん、100歳まで生きても大丈夫なようなファイナンシャル・プランを作っておく必要はあります。

「100歳以上まで生きても大丈夫なようなファイナンシャル・プラン」のことを「エターニティ(Eternity;永遠)」(または、「エターナル・ファイナンシャル・ポジション:永遠の財政状態」)と名付けて、本連載の後半で述べます。

ここで重要なことは、「いくつまで生きているのか」ではなく、「いくつまで健康なのか」であり、それはきっと「70歳くらいまで」であろうということです。

そして、本連載の最大のテーマは「60歳で仕事を辞める」ということであり、その根拠になるのが、「60歳というのは、QOLが高い人生が、あと10年しかないこと」です。これをきちんと咀嚼したら、答えはひとつです。

「大好きではない仕事は、60歳で辞める」

これに尽きます。

そして、それを実現できるように、あらかじめ準備していくことは、自分の人生にとって、とても有意義だという価値観を若いうちからはっきりと認識しておくことです。

「そんなことは充分にわかっているけど、先立つものがないから辞められないんだよ。」

大多数の人の答えは、これです。ですから、本連載の後半では、このことに対する解答を用意してあります。

大好きではない仕事を60歳で辞める理由のうちの最大のものは、「人生の残り時間が少ないから」です。あと10年しかないのです。もし結果として、もっと長かったら、それは単に「ラッキーなだけ」です。残りの10年は、「好きなことしかやらない人生」にしないと、いまわの際で後悔します――

(『Prof.サカキの市況展望 プラス 教授に質問!』を2021年9月中にお試し購読スタートすると、この続きを含む、9月分の全コンテンツを無料(0円)でお読みいただけます)

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本企画『目指せ!60歳でハッピーリタイア』は、メルマガ『Prof.サカキの市況展望 プラス 教授に質問!』内で好評連載中です。

【目次】

「目指せ!60歳でハッピーリタイア」 

~幸せな人生の歩き方。歳をとればとるほど楽になっていく人生設計とは~

第1章 60歳で「ハッピーリタイア」をしよう!

1-1節 本書で伝えたいことの概要
1-2節 長い自己紹介
1-3節 今や、60歳で辞めることこそが、「ヤンリタ」
1-4節 本書を読む必要がない人は、最高に幸せな人

第2章 日本版の「FIRE ムーブメント」

2-1節 「FIRE ムーブメント」とは
2-2節 なんで今さら!?
2-3節 日本版の「FIRE ムーブメント」は「FIRA60(ファイラ60)ターゲット」

第3章 「早く」達成するべきことはリタイアではなく、「イヤじゃない仕事」に就くこと

3-1節 いわゆる就職適齢期の時の考え方について
3-2節 海外生活について

第4章 仕事を辞めるって、どういうこと?

4-1節 人生は100年時代ではない!一番大事なのは「人生の残り時間」
4-2節 仕事を辞めるって、どういうことかを深く考えてみました

第5章 お金の問題

5-1節 遊んで暮らす「FIRA60(ファイラ60)」のための基本公式
5-2節 あとどのくらいで「FIRA60」に到達できるのかは、登山にたとえることができる
5-3節 大事なことは「早く」でもなく「高く」でもない
5-4節 資産運用のススメと副業のススメ

第6章 資産運用の具体策 年金代わりの株式運用

6-1節 配当の受け取りを主軸にした盤石の資産運用
6-2節 投資対象の絞り込みと目標の買い値
6-3節 売り値と重要な注意事項

第7章 「ヒマだ病」と闘う覚悟

7-1節 暇(ヒマ)があり過ぎるのもストレスだ
7-2節 60代を「第二の青春」にする
7-3節 「人生でやり残したことリスト」を作る
7-4節 「イヤでも、死ぬまで働くしかない」という状態からの脱却

終章 この世の天国は「オレの庇護の下でぬくぬくと暮らすこと」

 

image by: Shutterstock.com

榊原正幸この著者の記事一覧

2021.4-現在 還暦を前に早期退職して、MOTO教授として幅広く活動を展開 2004.4-2021.3 青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授 2003.10-2004.3 東北大学大学院経済学研究科教授 2001.7 英国レディング大学より博士号 (PhD, 会計学専攻)を 授与される 2001.2-2001.3 フランス・国立レンヌ第一大学経営大学院客員教授 1997.4-2003.10 東北大学大学院経済研究科助教授 1990.3 名古屋大学大学院経済学研究科博士課程 (後期課程) 単位取得満期退学 1984.3 名古屋大学経済学部卒業 1961.6 名古屋市生まれ

 

「MOTO教授」の榊原です。「MOTO教授」というのは、「元・教授」を私なりに表現した新しい肩書きです。 株式投資で資産形成をして、老後の資金を準備して、60歳前後でリタイアする「21世紀の日本を生き抜く生き方」を、自らの経験と株式投資のプロの視点から提唱していきたいと思っています。

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【著者】 榊原正幸 【月額】 ¥500/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 1日 発行予定

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