「岸田では選挙で勝てない」自民総裁選のカギとなる議員票61票の行方

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派閥の論理が優先され簡易方式で菅義偉氏が選出された昨年とは一変、いわゆる「フルスペック」で行われる自民党総裁選。今回は直後に衆院選も控えているため、票読みが困難になっているともされています。そんな総裁選を、永田町に身を置く方はどのように見るのでしょうか。今回のメルマガ『石川ともひろの永田町早読み!』では小沢一郎氏の秘書を長く務めた元衆議院議員の石川知裕さんが、マスコミ各社の調査と選挙を控えた議員の心理を紹介しつつ、その結果を予測しています。

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河野総裁で決まりか!?/岸田総裁なら低支持率スタートに

自民党総裁選挙もいよいよ終盤戦だ。街頭演説ができないぶん、テレビやネットでの討論に重きを置いた選挙戦になっている。4候補同士の討論では、河野氏に対しての質問が多く河野氏の政策に対して疑問を呈する場面が目立つ。裏を返せば河野氏が党員票で圧倒的に有利で、その票を減らさないと自分たちが勝利できないことの裏返しとも言える。

報道機関の調査によると、河野氏は党員票で40%を超える支持となっている。読売新聞の党員調査を参考に記す。

河野太郎 40%
岸田文雄 22%
高市早苗 20%
野田聖子  6%

日本テレビの調査でも

河野太郎 40%
岸田文雄 21%
高市早苗 15%
野田聖子  5%

となっており河野氏の優位は揺るがない。

次に議員票の獲得予想を報道機関の調査で見てみよう。

時事通信の調査によると、

河野太郎 118票
岸田文雄 104票
高市早苗  79票
野田聖子  21票
未定    39票
回答拒否  22票

投票先が定まっていない票が61票ある。

この61票が誰に行きそうなのか全く予想できないが、流れによっては議員票の順番は変動の要素がある。「岸田氏逆転勝利」の根拠は、高市氏に入っていた票を安倍晋三氏が「岸田支持」の流れを作る、という想定に立っている。しかし、「未定・回答拒否」の議員は河野氏に流れる可能性が高い。

総選挙を控えて「誰がトップなら勝てるか」と考えるからだ。

仮に、党員票で圧倒的に支持を得た河野氏が選ばれないとなると、自民党は党内民意を無視した結果となり、岸田政権は冷気の中での発足となる。

これが総選挙前でなければ強引にひっくり返すこともできる。しかし、選挙を控えた若手は自分の生き残りを考えている。1回目は高市氏に入れて、決選投票で岸田氏を支援した場合、地元有権者から「安倍や麻生に命令された」と見られるのを嫌がるだろう。

決選投票は議員票の比重が増す。

未定・回答拒否の61票がカギになる。

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1973年北海道足寄町生まれ。函館ラサール高校、早稲田大商学部卒。96年2月から2005年7月まで小沢一郎秘書。同年衆院選で北海道11区から民主党公認で立候補して中川昭一氏らを相手に落選、07年3月に繰り上げ初当選。09年再選。10年1月、政治資金規正法違反容疑で逮捕、同年2月に起訴。12年12月、三選。同年5月、議員辞職。2017年10月、妻・香織が衆院議員に初当選。同月、公民権が回復。政界復帰に向け、コツコツと活動中!!! 著書『悪党』は5万部を超える大ヒット作に。そのほか、『雑巾がけ』など著書多数。

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