もちろん、非常に大きな問題ですので、政治的混乱が発生する可能性はあります。
政府が投資家保護を完全に行えば、金融不安は起こりません。しかし、それでは中国の不動産投機熱が下がりません。第二、第三の恒大集団問題が発生したときにも同じように保護するのか、という問題があります。
しかし、なんらかの救済措置を講じなければ、想像以上の連鎖的な破綻が起きるかもしれません。国民の感情もあり、このあたりの政治的なかじ取りをどうするかは非常にむつかしいところです。
ただ、これが習近平の地位を揺るすほどの問題になるかは疑問です。これは筆者の個人的なつながりがある中国共産党を身内にもつ中国人から聞いた話ですが、歴代の中国の指導者は共産党か軍かどちらかに権力基盤があったそうです。
習近平は、今、共産党と軍のどちらも掌握しているそうです。その意味で毛沢東とトウ小平に並ぶ存在であり、権力基盤は盤石だとの事でした。
ロイター通信によると2021年9月29日、恒大集団は50億円以上の利払いの期日を迎えます。まずはそこが注目されます。
いずれにしても中国の不動産市場の宴が終わったことは確かなようです。
(メルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』 9月26日号より一部抜粋)
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