スピーチのプロが感じた「自民総裁選」4候補の討論中に通り抜ける“新しい風”

 

新リーダーとなる候補者のザックリな印象

大まかに、4名の方々の印象をまとめると

  • 常にまっすぐ前を見つめ、いつものパワフルさを前面に出して答えた河野氏
  • 「聞く力」を発揮して市井の声を集めた事例などを含めて回答もした岸田氏
  • どんな質問にも笑顔で、自身の政策と詳細情報を加えて答えようとした高市氏
  • マイペースと自分スタイルを崩さず、自然体で答えようとしていた野田氏

一番意外だったのが高市氏。これまでメディアで見る際のカッチリした姿とは違って、あんなに笑顔が出る方だったんですね。答弁の詳細さや話題の豊富さは驚きました。

野田氏は、普段の議員の仕事の時の雰囲気そのまんま、というような、肩肘張らない雰囲気が逆に、とても身近に感じました。質問者に「こんばんは」とごく普通に挨拶してから意見を述べる点、その普通さ加減が「政治家」ではなく「人」を感じさせて共感が湧きました。

女性お二方とも、上司にしたら、頼れそうな雰囲気!!きっと、何か問題が発生しても「あ、そう、じゃ、こうしましょうよ」とバッサリ進めてくれそうです。

また、お声も、リーダーにふさわしい「低めで大きく、聞き取りやすい速度」。お二人とも、少しハスキーボイスで、聴き心地も良いと思いました。

高市氏はハードロックのドラムを叩くそうですね。野田氏は、縦ロールのヘアスタイルがお似合い。個性があって共感が湧きます。

河野氏は、これまでよくメディアでお見受けする感じのイメージのまま。英語的にバッサリ言い切る。おかしなことにはおかしいと正直に言う。オンライン討論会の質問者の中に、河野氏をモノマネしながら質問した方がいました!驚き。

岸田氏は、昨年の立候補の時と比べると、パワーアップされた印象です。実はすごい酒豪なんだそうです。そんな風にはお見受けしませんけれども。「岸田ノート」というのを長年つけていらっしゃるそうで、広く世間でヒアリングしたことを書き溜めているんでしょうか、回答の中にも、あらゆる立場の人を考慮した言葉が目立ちました。

質問に対する答え方で、4名に共通して感じたことは、きっちり時間内に答えられる力のすごさ。

政治家だから当然、と言えるかもしれませんが、2時間ぶっ続けで答え続けるのはやはりすごいですね。

経営者ともなると、どんな質問にもすぐ答えられるという力が必要ですが、公開討論、あるいは対話の場で、時間も守りつつ、中身のある、他者に引けを取らない内容で、かつ、自分をアピールしながら、というのは簡単ではありません。

その点、政治家の方々は選挙活動という非常にハードで濃密な期間を何度も繰り返し体験し、そして結果を出している方々が揃っているわけですから、この辺りの百戦錬磨ぶりは、実際に目の前にするとやっぱり迫力、高い発信力があるのです。

ということは、鍛えれば発信力は高められる!と言う証拠でもあります。

それにはやはり、こうした、緊張感の高い、真剣勝負の本番に多く出ることが何よりも有効!ということが、よくわかります。

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