女性自殺者の急増を隠蔽する自公政権の姑息。80%超「増加」の真相

 

それなのに、2020年当時の日本のメディアは自民党政権に忖度していたのか、連日のように「GoToトラベル」や「GoToイート」の成果を誇大報道するばかりで、新型コロナによる女性の自殺者の増加は、ほとんど報じませんでした。しかし、常に国民の側に立つ海外メディアは違います。アメリカの「CBS News」は、2020年11月13日付で「Suicide claimed more Japanese lives in October than 10 months of COVID」(新型コロナによる10カ月間の死者数よりも、10月1カ月の自殺のほうが多くの日本人の命を奪った)と報じました。以下、その記事の和訳です。

新型コロナそのものよりも、新型コロナの影響による経済的悪化が、遥かに多くの日本人の命を奪っている。

 

日本は新型コロナの流行を他の国よりもうまく管理しており、現在の死者数は全国で約2,000人ほどだ。しかし、政府の発表によると、新型コロナが原因と思われる自殺者は10月だけで2,153人に達し、4カ月連続で増加し続けている。日本の自殺者は10月までに1万7,000人を超えており、10月の自殺者数は前年比で600人も増加した。特に女性の自殺者は80%以上も急増した。日本の女性はもともと家事や育児などの負担が大きいが、現在はさらに新型コロナによる失業と不安の矢面に立たされている。また、男性がテレワークで自宅にいる時間が長くなったため、既婚女性は家庭内暴力を受けるリスクが高まっている。

あたしは、この「CBS News」の報道を受けて、ちょうど1年前、去年の11月25日配信の『きっこのメルマガ』第96号に「急増する新型コロナ自殺」というエントリーを掲載しました。そして、その中で「若い女性の自殺が急増している」ということを取り上げ、すぐに対策を行なわないと女性の自殺が増え続けるということを訴えました。バックナンバーを保存している人は、第96号の「前口上」を読み直してみてほしいのですが、今回、新聞各紙やテレビ各局が報じた内容は、あたしが1年前に、このメルマガで発表したエントリーとほぼ同じなのです。何なら、あたしのエントリーのほうが優れています。

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だから、あたしは、今回の報道を見て「はぁ?」と首を傾げ、「今ごろ何を言っているのか」と思ったのです。しかし、政府が2020年の「自殺対策白書」を発表したのが11月2日なのですから、その発表を受けて各メディアが報じるというのは普通の流れですよね。でも、それなら、どうして政府の発表がこれほど遅くなったのでしょうか?

先ほども書きましたが、厚労省の自殺対策推進室は、毎月の全国の自殺者数と詳しい内容を翌月に発表しています。ですから、2020年の1年間のデータは、今年1月末の時点で出揃っていました。これは厚労省のHPで誰でも閲覧できますので、当時、あたしも閲覧してデータをDLしましたし、貧困や自殺対策に取り組む複数の民間NGOなどが、このデータを元にして、今年の2月から3月にかけて「新型コロナの影響で女性の自殺が急増している」という問題をHP等で取り上げました。

そして、2020年11月にこの問題を取り上げたあたしは、政府が「自殺対策白書」を発表した時点で、もう一度、この問題を『きっこのメルマガ』で取り上げるつもりでした。しかし、今年は、例年「自殺対策白書」が発表される3月下旬の年度末を迎えても、いっこうに発表されないのです。そして、春が過ぎ、夏が過ぎ、秋を迎え、10月31日にバタバタと衆院選が行なわれ、大方の予想に反して自民党が安定多数を守り切ると、その2日後にシレッと「自殺対策白書」が発表されたのです。

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