かつて、野党精神は社会になくてはならぬものだった。その根底にあるのは、物の考え方、視点、価値観は多様であるということだ。
人の想像力、判断力には限界がある。野党が与党案に対し批判したり疑問を示すことによって、人々の想像力が喚起され、広い視野から政策や政治姿勢の妥当性を判断することができる。
しかし、その考えは今や通用しないようだ。モリ・カケ・サクラ疑惑などで国民はウンザリしているのに、「野党」への支持は一向に広がっていかない。逆に、疑惑を追及すればするほど、野党嫌いが加速する。野党がだらしないから自民党の支持率が落ちないとよく言われるが、むしろ与党に対峙しようとする野党のがんばりが裏目に出ているのだ。
来夏の参院選をひかえ、新代表の前には難問が山積している。共産党との共闘、国民民主党、連合との関係をどうするか、地方組織の整備をいかに進めるか。よほど強力なリーダーシップがなければ解決できない課題ばかりだ。いま一つ押しが足りないともいわれる泉代表が、たくましく変身できるかどうかがカギとなるのは言うまでもない。
しかし、もっと大切なのは、「コミュ力」重視の社会に適応するための知恵を出すことであろう。古い野党のイメージを引きずっていては、不利な状況は変わらない。
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