第一生命のCX戦略
CX戦略のケーススタディとして今回準備させてもらったのは、第一生命です。
言わずとしれた保険業界の大手ですが、金融商品は実際に目に見えませんし、ほとんど書類のやり取りだけでCX戦略はあまり効果がないように思えるでしょう。
しかしながら、CX戦略の効果がなさそうだというのは逆に言えばCX戦略を徹底することで他社への差別化がしやすいということでもあります。
そこで、今回はあえて第一生命の事例を取り上げました。
まずは、第一生命が公開している資料から抜粋した以下のスライドをご覧ください。
こちらは中期計画書の一部で、真ん中にしっかりと「CXデザイン戦略」と書かれていますね。
そして右下に「つながり・絆」という枠がありますが、ここがまさにCX戦略の鍵となっているお客様との接点部分の強化でしょう。
さらに資料を見ながら詳しく説明していきます。
この左下の円は、顧客の一生涯のライフサイクルの中で、第一生命がそのどこに接点を持つことができるかを視覚的に表しています。これは第一生命が企業のキャッチコピーとしても掲げている「一生涯のパートナー」という部分にも合致していますね。
そしてその接点の中でCXをどのようにデザインするのが効果的か。デジタル・対面と個別の顧客に最適なチャネルを用意したりなど接点の強化・拡大を考えていくのがCXデザイン戦略です。
より具体的に見ていきましょう。以下は、顧客の契約前から契約後まで、顧客との接点とそれにともないどのようなCXが提供されているかを表しています。
注目していただきたいのは、「気づく、楽しむ、役立つ」というポイントがところどころに入っている点です。これはまさにCXそのものと言ってもいいでしょう。
第一生命の社内では、お客様からの評価を重要なKPIとしておいており、特に「他の人におすすめしたい」という評価をもらえるかを重要視しています。
そこでCXとしての、「気づく、楽しむ、役立つ」というポイントを意識してデザインしているのです。