CXの概念
まずは、より詳しくCXについて解説していきます。
CXの概念を感覚的に図で説明すると、以下のように表せます。
グラフの真ん中の点線が、商品やサービスそのものの絶対的な価値で、そこにCXによる価値が付随することによって、顧客にとっての価値(満足度)が変わるということを端的に表した図です。
現代では同じような商品・サービスはたくさんありますし、新しいものを作ったとしてもすぐに真似されてしまいます。ということは、スライドのサブタイトルにもある通り、まさにこのCXが企業の差別化に直結するポイントとなってくるでしょう。
例えば先程のディズニーの例で行くと、ディズニーには会員制のレストランがありますが、その料理はランチでも6,000円からと超高額です。しかも出てくる料理はそこそこのもので、高級レストランほどのクオリティかと言われると首をかしげるかもしれません。
それでもシェフの姿をしたミッキーと一緒に写真撮影ができたり、出てくる料理にもディズニー側の粋な遊び心が隠れていたりして、その体験部分で客の期待値を超えてきます。なのでみんな高いとわかっていてもお金を払いますし、次も行きたいと思えるのです。
同じ料理を別のところで出しても同じ値段を取ることはできないでしょう。これがCXによる差別化の一例です。
心理的・感情的な価値の5つの種類
「心理的・感情的な価値」と一言に言っても、その種類は様々です。大きく分けると5種類あり、それぞれ詳しく解説します。
度々例に挙げさせてもらったディズニーは、Feel(感情的)に該当します。ワクワクする、感動するといった心躍るような感覚です。
嗅覚、聴覚、視覚など五感を満足させるものがSense(感覚的体験)。
想像力、知的好奇心を刺激するような体験がThink(知的体験)。
既存の行動・ライフスタイルを一新するような新しい感覚がAct(行動的体験)。
人間関係、ステータスの変化など、特定のコミュニティによってもたらされるRelate(社会性体験)。
CXをデザインする上でこの5つのどれを主軸においていくのか(顧客に最も刺さるのはどれか)で、どんな付加価値を生み出していくのかが変わってきます。