昨年12月末に、政府は23年度に新設する、子ども政策を一元的に担う新組織の名称を当初予定していた「こども庁」から「こども家庭庁」に変更する方向で調整に入ったと報じられました。
子供の問題=親の問題と考えれば、「こども家庭庁」とするのは至極当然なこと。「こども家庭庁」で、雇用形態の違いによる賃金差や、世界最低レベルの最低賃金問題まで言及するのでしょうか?あるいは、他の省庁と連携できるのでしょうか。
もし、本当にもし、子供を通じて、「親の問題」が解決される方向に進めばいいのですが、これまでの国の動きを鑑みると期待するのは…難しいです。
いずれにせよ、今回の調査が文科省の委託で実施されたならば、そこにどのような問題意識があるのか?おそらく正式な報告書が明らかになると思いますので、続報を期待したいと思います。
その一方で、「シングルマザー・非大卒」世帯の62.3%が、プリント学習を「きちんとやった」と回答したことには、微かな光も感じました。
教育問題を扱ってきた苅谷剛彦さんが行った調査では、両親の学歴や職業の違いが子どもの「学習への意欲」に影響することがわかっていました。階層下位の子どもたちほど「学習への意欲」が低く、少人数授業を取り入れ、熱心に取り組んでいる地域でさえ、階層格差に起因する「学習意欲差」を縮小するのは難しかったとされていたのです。
しかし、今回の調査では「両親とも大卒」より劣るものの、「シングルマザー・非大卒」世帯の6割以上の子供が、プリント学習をきちんとやっていた。「子供の放課後の学習支援」に取り組む学校や、団体が近年増えていましたので、その成果が出ているかもしれません。
私自身、微力ではありますが、学習意欲を失った子供の支援に協力させていただいているので、ちょっとだけ嬉しくなりました。みなさまのご意見、お聞かせください。
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