単身人口は2.4億人。中国に新たな危機、深刻化する“おひとりさま”問題

 

今後、一人暮らしの方に特化したビジネスモデルも増えていくと予想される。 例えば、一人暮らしの高齢者に病気の見守りや安心を提供するサービスなど。家事に消極的な一人暮らしの若者や料理ができない人に対応するサービスなど。

一般的に、これまで家庭が提供していたサービスの多くは、社会的サービスに転換する必要があり、アラカルトの食事や家事代行などの需要が増え、便利さや時間にお金をかける「怠け者の経済」が普及しそうだ。

また、一人暮らしの人は心の支えを必要としており、精神的な支えになるペットなどの産業も盛んである。ペット産業は利用者にとって、家族に代わるものとして大きく成長すると思われる。また、スマート家政婦やコンパニオンロボットも有望な分野だろう。

つまり、一人様経済では、パーソナルでエクスクルーシブな質の高い消費シーンがより一般化する。フィットネスや旅行など、個人向けのさまざまな趣味のクラブも増えており、いずれも一人暮らしの若者に、家庭の外で十分なコミュニケーションと心のカタルシスを与える場となっている。

日本では、65歳以上人口のうち、単独世帯の人口は671万7,000人。65歳以上人口の「約5人に1人」が一人暮らしとなっている実態がある。

日本と中国は、同じように少子高齢化という深刻な問題に直面している。高齢者一人様の暮らしサポートは急務である。

若者の「一人様化」、一人様の生活様式が流行っていること、コロナ時代の人々のライフスタイルの変化にもつながっている。

これまで中国人は群れに慣れてきたが、近年はプライバシーや生活の質を意識して、一人暮らしを好む若者もよく出てきている。

これは中国社会の変化の証であり、この面で、国際社会の普遍的な価値観に近づくだろう。

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在日中国人作家。日中の大学でマスコミを専攻し、両国のマスコミに従事。十数年間マスコミの現場を経験した後、2009年から留学生教育に携わる仕事に従事。2015年日本のある学校法人の理事に就任。現在、教育・社会・文化領域の課題を中心に、関連のコラムを執筆中。2000年の来日以降、中国語と日本語の言語で執筆すること及び両国の「真実」を相手国に伝えることを模索している。

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