そのことに気づいた中小企業の人たちが、いま新しい試みを始めています。それが「オープンファクトリー」。町工場などの“現場”を公開し、「見学・体験」プログラムやツアーを提供し、モノづくりおよびモノづくりの町をアピールするイベントです。
一般の人が普段見る機会のない工場に入ることができ、職人から直接、製品や加工技術の説明を受けることができます。
町工場とはどんなところなのか。どんなものを作っているのか。どんな人が働いているのか。一般人のほとんどが知らないことです。周辺に住む人たちでさえ、その存在を認識していません。
誰もが知らないのだから、就職を希望する人が、その選択肢に入れることは、ほぼ皆無だと言えます。知らないものに興味は持てません。
そこで、まず知ってもらうための試みが、「オープンファクトリー」なのです。
学生に限らず、周辺住民や子どもたちにまで、広くオープンにすることで、世間一般で知られる存在となることを目指しています。
こうしたイベントが、マスコミなどで取り上げられるようになれば、興味を持つ人も出てくるし、就職先として選ぶ学生も増える可能性があります。
特に町工場で作っているものは、言葉で説明しても、理解されません。
「建材を作っている」
「産業機械のパーツを作っている」
「アルミの切削をしている」
「自動車関連のタンクを作っている」
そんなことを聞かされても、まったく理解できず、そんなところで働く自分の姿は想像できません。しかし、実際に見て、知って、実感したなら、就職先のひとつとして、考えるのではないでしょうか。
これまで町工場は、「大きなものを支える小さな存在」でしかありませんでした。ですが、その重要性をもっと知らしめる手段を得たなら、仕事の、そして職人としての誇りを強くアピールできるのではないでしょうか。
いま、モノづくり産業は、後継者不足や採用の困難に直面しています。この「オープンファクトリー」を足掛かりにして、優れた人材を獲得し、さらなる飛躍に繋がって欲しいと思います。
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