マツコも呆れ果てた。いじめの証拠を突きつけても取り合わぬ腐った学校

 

調査による証拠収集

こうなると、何らかの突破口を見出さないと、単なるいざこざで、個人差がある感じ方でAさんが不登校になりかけているという学校側のストーリーにのせられた状態になってしまう。

私はAさん本人から当時の話を詳しく聞き取った。この聞き取りは何かの特別なテクニックを使うのではなく、初回は互いのことの開示などを通じた雑談などで、その次は今現状の不安などへの道筋を考えることなど、直接的な質問はほとんどしないで進めるが、こうした方法で接触機会を比較的頻繁にもつことで、突破口が見えることが多い。

この件でも、こうした雑談から「おにぎりのごみはゴミではなく雑草だった」という告白があり、その後、机に同じ雑草が置いてあって、その場にいない他の生徒も笑っていて、誰も助けてくれないんだと思ったし、恥ずかしかった、という会話から、このおにぎり動画が拡散されていた可能性を見出した。

また、同時期に五月雨登校になっていた女子生徒がいることもわかり、接触を図ったところ、この女子生徒の保護者を通じて、クラスメイトのグループLINE上で、Aさんが自暴自棄になった様子で「米と海苔の間に雑草を挟んだおにぎりを食べる動画」を提供してもらうことができた。

さらに、この女子生徒の保護者によれば、女子生徒はこの動画を担任に見せて、この記録を提出しているということであった。

そのため、すぐにAさんの保護者から担任に連絡をしてもらい、この動画を持っているか確認を取ったところ、自分の使っているパソコンに記録を持っているということがわかったのだ。

担任は終始不機嫌で投げやりな様子であったが、学校長に動画がある事を告げた後は、態度が激変し、「いじめだとは思わなかった」「本人がウケを狙ってやっていると聞いていた」などと信じられない説明を繰り返していた。

但し、校門タッチで出席、提出物でとりあえず出席というような記録があったりすることから、これだけの判断を担任のみが行っていたとは考えづらい。

学校の仕組みからすれば、ここに校長の許可があったことが予想されるが、責任回避のために本格的な隠ぺいをされてもより問題が複雑化するであろう。

いずれにしても、まともな第三者委員会が設置されれば、こうした諸問題は指摘される対象になると考え、本件では第三者委員会の設置要望を提出する運びとなった。

2022年2月現在は、Aさんの事案はここまで進んだが、どのような形の第三者委員会が設置され、どのような方針で進められるかは、これからの話になる。

同様のケースは数十件

Aさんのケース以外でも、同様、類似するケースを私は常に数十件抱えている状態で対応が続いている。いずれも、第三者委員会の設置までを避けようとした痕跡があり、同時に、いじめ対応として、「加害者がみとめないから加害行為はない」と杜撰な判断をしている。

第三者委員会の設置について問題があるケースが多いことから見ても、いじめ対応においては、問題があるハードルが多すぎやしないかと思える。

もちろん、まともにやっている自治体もあるのだろうが、私が知る限り指で数えるほどしかない。全てを根本から見直すべきではないだろうかとしか思えないのが現状だ。

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